医療現場からの提言

2018年

vol.13 運動と食事で冷え対策

冷えの原因にはどのようなものがあげられますか?

平崎:

実際に通院治療の対象となる甲状腺機能低下といった内分泌異常やレイノー現象といった膠原(こうげん)病に伴う症状でも表れることがありますが、多くは生活リズムの乱れによる自律神経の失調や、更年期や月経不順などの女性ホルモンのバランスの乱れ、大病の後、極端な減量、冷えを誘発する食生活(冷めたい飲食、冷性の食事)などがあげられます。

東洋医学では冷え性をどのように捉えていますか?

平崎:

東洋医学では生体の病源に対する反応やもともとの体質を陰陽(いんよう)虚実(きょじつ)に分けて捉えますが、冷え性は陰の場合と捉えます。また、その他にも血の巡りが悪い「瘀血(おけつ)」体質や血の量が足りない「血虚(けっきょ)」体質、水はけの悪い「水毒」体質でも起きる場合があります。

冷えないようにするには、生活や食事でどのように気をつかればよろしいですか?

平崎:

自律神経のバランスを保つため規則正しい生活を送り、適度な運動をして血の巡りを良くするようにします。また、食事には体を冷やす陰性食品(生野菜、南方でとれる果物、冷たい食品、精製された白砂糖、コーヒー、緑茶など)と体を温める陽性食品(根菜類、ショウガ、ネギ、ニンニク、紅茶、ほうじ茶など)がありますが、できれば陰性食品を避け陽性食品を摂るようにします。また、嗜好(しこう)品の影響もあります。喫煙には体を冷やす作用があるので避けたほうが望ましいです。また、適度な飲酒には体を温める作用がありますが飲みすぎると水毒や?血の原因となりますので気をつけましょう。

東洋医学ではどのような治療法がありますか?

平崎:

体を温めたり、血流を良くしたりする漢方薬を処方します。漢方医は個別の体質に合わせた診断(証診断)を行い最適な処方を決定します。もし、冷えでお悩みの方は一度ご相談ください。また、鍼灸(しんきゅう)では、お灸や温罨法(おんあんほう)、温石(おんじゃく)などの治療もあります。

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