医療現場からの提言

2018年

vol.01 頻尿原因特定し対処を

頻尿の原因は何があるのですか?

荻島:

一般的に日中の排尿回数が8回以上を頻尿、夜間の排尿回数が2回以上を夜間頻尿といいます。頻繁にトイレに行かなくてはならず、生活の質を下げてしまうことにつながります。

原因はさまざまですが、多尿や過活動膀胱(ぼうこう)、感染や炎症、排尿障害による残尿の増加などによるものが挙げられます。

多尿によるものは、水分摂取が多いために多尿となっている場合が多いですが、深刻な病気が潜んでいることもあります。心不全や糖尿病なども多尿を引き起こすことがあり、また、睡眠時無呼吸などでも夜間頻尿となることがあり注意が必要です。

急に尿がしたくなるのも頻尿と関係があるのでしょうか?

荻島:

急に尿がしたくなって我慢ができなくなる尿意切迫感を伴う過活動膀胱も頻尿を引き起こします。パーキンソン病や脳梗塞などの脳の病気が原因となることがありますが、原因が不明なことも少なくありません。膀胱炎や前立腺炎などの尿路感染や膀胱結石、膀胱腫瘍などによっても同様の症状が起こることがあります。

また、排尿後に膀胱内に尿が残る残尿が多くなる事で、膀胱内に尿をためるスペースが減少し頻尿が起こります。男性の場合は前立腺肥大症によるものが多いですが、脳梗塞などの脳の病気や糖尿病、骨盤内手術による神経障害などでも排尿障害が起こり、残尿が増加します。

年齢によるものもあるのでしょうか?

荻島:

加齢による老化現象や若年者では心因性のことも少なくありません。

以上のように一概に頻尿といってもさまざまな原因が潜んでおり、場合によっては重大な疾患が隠れていることもあり得ますので、原因を特定し適切な対処をする必要があります。

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