医療現場からの提言

2016年

vol.10 いびきの弊害と注意点

人からよく「いびきがうるさい」と言われます。治るものならば治したいのですが、病気と関係があるのでしょうか?

永田:

いびきは、周囲の人に迷惑をかけるだけでなく、健康に害を及ぼすことがありますので注意が必要です。

いびきをかく人が、まず注意しなければいけないことは、無呼吸になっていないかということです。いびきに無呼吸を伴う睡眠時無呼吸症候群は、熟睡できないことによる日中の眠気のほか、高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中などの合併症を起こしやすいことが知られています。ご家族に観察してもらったり、いびきを解析するアプリなどで、無呼吸がないかを確かめることが必要です。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、医師を受診して検査を受け、必要があれば治療を受けることをお勧めします。

寝ている時に無呼吸になるのは怖い気がします。日頃から熟睡できていないと感じ、よくあくびが出るのはそのためでしょうか?

永田:

無呼吸を伴わない場合でも、日中の眠気を生じることがあります。いびきをかいている状態は、熟睡していることは少なく、多くの場合浅い眠りであるためです。朝目覚めたときに熟睡感がない、日中、とくに午前中からあくびが出たり眠気があるような場合には要注意です。このような場合には、医師の診察を受け、必要に応じて治療を受けることが勧められます。

いびきをかかない人もいます。いびきをかく人の傾向はあるのでしょうか?

永田:

いびきの原因となるのは、肥満、顎が小さい、軟口蓋(なんこうがい。のどちんことその周囲)にたるみがある、鼻づまりがある、口呼吸になっている―などです。できれば耳鼻咽喉科などで、鼻、のどの診察を受けて、いびきの原因に応じた治療法を選択することが大切です。

治療としては、マウスピースを歯科で作成してもらい毎晩装着して寝る、鼻炎や副鼻腔炎の治療をする、鼻やのどの手術をする―などが挙げられます。

BACK INDEX NEXT
公益社団法人 千葉県医師会 CHIBA MEDICAL ASSOCIATION みんなで高めるいのちの価値 ~健康と福祉のかなめ~
〒260-0026千葉県千葉市中央区千葉港4-1
TEL 043-242-4271
FAX 043-246-3142