地域医療ニュース

第2回高齢社会を考えるシンポジウム「千葉大学と超高齢社会」が開催

2013. 07. 08   文/梅方久仁子

鈴木雅之 氏
鈴木雅之 氏

 最後の発表は鈴木氏による「包括的に団地を元気にする活動 ちば地域再生リサーチの取組み」。内容は以下の通り。

 研究した理論を実証するために、2003年に建築学科の教員と学生で、郊外団地の地域再生を支援するNPOを作った。10年でいろいろな資源と出会って発展し、現在は常勤3名で活動している。

 この地域には、ハードとして建物の老朽化、空家の増加、ソフトとして高齢化、買い物難民、貧困化など多様な課題がある。また、同じ団地内でも地区ごとに違いがある。

 多種・多様な課題に対して包括的な取り組みが大事。持続させるにはビジネス的な発想が必要だ。また、同じような課題は隣の地区と一緒にやるなど、エリア全体を見て取り組んでいる。

 活動の柱は6つある。「住まいのリペア・リフォーム」では、地元の主婦が高齢者の住宅をリフォームをする。最小限の負担で最大限のバリアフリーの効果が得られるように工夫している。「コミュニティ・暮らしサポート」では、1回50円で買い物を代行する。「団地学校」では、住民が先生になってみんなに教える。おりがみ講座などが人気で、高齢者が外出するきっかけになる。「エリア経済の活性化サポート」では、商店街の店舗を再配置したり、店主の自己紹介を掲示したりしている。「コミュニティ・アート」は、空き店舗を制作アトリエとしてアーティストに手頃な価格で提供したり、ギャラリーとして活用。「住まい・町再生サポート」では、マンションの管理組合に参加したりしている。

「住まいのリペア・リフォーム」では、地元の主婦が高齢者の住宅をリフォームをし、最小限の負担で最大限のバリアフリーの効果が得られるように工夫している。(クリックすると拡大します)