地域医療ニュース
第2回高齢社会を考えるシンポジウム「千葉大学と超高齢社会」が開催
2013. 07. 08 文/梅方久仁子
第2部 研究発表「超高齢社会の医療状況」
藤田伸輔 氏
次に第2部として、千葉大学医学部附属病院千葉県寄附研究部門高齢社会医療政策研究部の研究発表が行われた。
まず、副部長で診療教授の藤田伸輔氏が「超高齢社会と医療」と題して、前提となるデータを紹介した。内容は以下の通り。
高齢社会とは高齢者の数が増える社会だ。これはすなわち、ADL(日常生活動作)が低下した人が増え、病気の人が増え、社会で働きの場を失った人が増加し、社会が蓄えた知的財産が喪失する社会だ。また、少ない勤労世代で多くの高齢者を支えるため、社会基盤の維持が難しくなり、勤労者の負担が増える。消費市場が減って、GDPが低下する。それゆえ、医療・介護だけではなく、社会の仕組み全体を考える必要がある。
医療需要予測によると、入院者数がピークを迎えるのは、2030年ごろで、外来患者数のピークは2020年ごろだ。千葉の現状からは、2020年までの対応完了を目標にしている。
全国で医療需要が入院・外来ともに増えるのは、東京や横浜を中心とした首都圏や、名古屋・大阪・福岡など大都市圏だ。千葉でも東京に近い県北西部の東葛地域で医療需要が増加すると予想されている。