地域医療ニュース
九十九里地域医療夏期セミナー2011
明日の地域医療を担う学生たちが、現場を体験
2011. 10. 26 文/梅方久仁子
アイスブレーキングで緊張をほぐす
仲間作りが大切と言われても、初めて会う間柄ではなかなか会話も弾まない。そこでオリエンテーションのあとに、東金病院の医師(後期レジデント)である賀来敦氏の掛け声で「アイスブレーキング」が行われた。
アイスブレーキングとはコミュニケーションを円滑にするために行うグループワークのこと。今回は、隣の人とじゃんけんをして「勝ったら大げさに喜び、負けたら大げさに悔しがる」という単純なものだった。ところが、じゃんけんをしただけで会場の雰囲気が一気に和らいだ。初対面のぎこちなさがほぐれたところで、いよいよフィールドワークに出発することに。
フィールドワークで現場を体験
地域医療の現場で実際に働く人の話を聞くフィールドワークは、このセミナーのいわばメインイベント。今年用意されたフィールドワークの訪問先は9つ。36人の参加者が3?5人のグループに分かれて、それぞれの訪問先に出かけていく。医療機関だけではなく、商工会議所や市役所など、一見地域医療とは関係なさそうな訪問先もある。
話を聞くだけなら簡単そうだが、それをグループでまとめて、翌日5分間の発表を行うとのこと。発表用のスライドを作るため、グループごとにパソコンが1台ずつ貸し出された。
グループの構成員は、ほとんどが今日初めて出会った者同士。しかも薬学、看護学、社会福祉学など、バックグラウンドはバラバラ。中には医療とまったく関係がないビジネス専攻の学生もいる。年齢も、10代の短大生がいれば20代半ばの大学院生もというぐあい。はたして、限られた時間で話を聞いて、まとめて、スライドを作成して、発表してという共同作業が達成できるのだろうか。
フィールドワークの訪問先とテーマ概略
- 東金市役所高齢者支援課「介護予防」
高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるように、すべての市民が積極的に参加する健康づくりについて。 -
緩和ケア ?薬剤師のかかわり?「さんむ医療センター」
薬剤師から見た医療センターの緩和ケアチームと地域との関わりについて。 -
東金商工会議所
地域医療に関心が薄い住民に興味を持ってもらうためのヒント探し。 -
障害福祉サービス「山武青い鳥工房」
障害者通所施設と地域医療との連携について。 -
訪問診療
ターミナル期、呼吸管理中、高齢での寝たきりなど、幅広い訪問診療の実際について。 -
調剤薬局
東金の医療情報共有化システム「わかしおネットワーク」の紹介と調剤薬局の役割。 -
病院 地域連携室の業務 ?退院支援について?
医療ソーシャルワーカーの仕事、特に退院支援について。 -
高齢者能力維持予防「浅井病院 STEP」
STEP(Soft Training Education Program for aged 高齢者能力維持・予防プログラム)の紹介。 - 消防署「山武行政組合消防本部」
消防署の救急出動の現状について。