医療者から見た地域医療のいま
全国トップレベルの規模を誇る旭中央病院が考える、
地域医療再生に果たせる役割とは?
2011. 9. 1 文/大森勇輝
一方で、患者の来院数はどのくらいありますか?
柏木 1日平均の外来患者数は3300人、入院患者数は850人、年間の救急外来患者数は6万2000人ほどとなっております。外来患者数は全国の公立病院でトップ、入院患者数も全国2位です。
旭中央病院の歴史
昭和28年(1953年)開院。開院当初は初代院長の諸橋芳夫以下医師8名という小さな病院だったが諸橋院長が掲げた「すべては患者のために」という基本理念は、開院以来、現在にいたるまで脈々と引き継がれている。
開院10年で病床数380床、20年目で620床、40年目で910床と、平成12年に諸橋院長が亡くなるまで、増改築しなった年はなかったほど大きくなり続けてきた。現在の規模は、病床数989床、医師約250人、職員約1800人、1日平均外来患者数3300人を超え、年間救急外来患者数も約6万2000人という巨大病院。JR旭駅から旭中央病院までの無料送迎バス(昭和32年サービス開始)がある。
それだけで多いとなると、当然のことながら旭市以外の患者も多いと。
柏木 そうですね。2000年度と2008年度を比べると、外来、救急患者ともにとりわけ茨城県の鹿島方面や山武方面など、市外からの数が大きく増えています。そうした千葉県東部、茨城県南東部を含む半径30キロの診療圏にはおよそ100万人の人々が暮らしています。