地域医療ニュース

市原市で「地域医療フォーラム~いちはらの大切な救急医療を守るために~」が開催

2013. 01. 08   文/梅方久仁子

 救急搬送の現場から、石井氏は「今はなんとかなっているが、安易な救急要請が増えると、本当に必要なときに間に合わなくなる可能性がある。1人で年間50回も60回も救急車を利用する方には個別に訪問してご理解をいただくなど、適正利用推進のために努力している。資料を読んで、どういうときに救急車を呼べばいいのかを知ってほしい。24時間体制の相談ダイヤルができたので、ご利用をお願いしたい。いざというときのためにも応急手当を覚えてほしい」とのことだった。

24時間体制の健康・医療相談ダイヤルを開始

 市原市はどのような対策をとっているのか、行政の立場から林氏は、「救急医療体制の維持については、地域保健医療協議会にて、さまざまな検討を重ねてきた。平成21年度から、啓発活動でチラシを配布したが、現場改善にはつながらなかった。そこで、23年7月から『いちはら健康・医療相談ダイヤル24』を設置。24時間体制で、看護師、保健師、医師が健康や医療の相談に応じている。平成23年7月から24年3月までに約9000件の相談があり、医療現場への問い合わせが少し減ったのではと思っている。さらに市民に救急の現状を知っていただき、救急医療への理解と健康増進の意識向上を目指して、本日のフォーラムを開催した。今後、地域の住民とともに医療と健康について考える地域医療教室を開催していく」と報告があった。

 藤本氏からは、「医療はすべてつながっている。今日のテーマは救急だが、救急医療のお世話にならないためには、日ごろの健康管理が必要。つながりについて専門家の話を伺いながら、私たちはそれを理解し、自分たちでできることをしながら、医療を支える側に回っていくといいのではないかと思う」という意見表明があった。

パネルディスカッションの様子
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