地域医療ニュース
千葉大学高齢者関連3部門開設を記念して
「高齢社会を考えるシンポジウム」が開催
2012. 08. 08 文/梅方久仁子
加齢に着目した基礎および臨床研究で
新しい高齢者医療の形をつかむ
細胞治療内科学講座教授
横手 幸太郎氏
横手 幸太郎氏
次に、「先進加齢医学寄附講座のご紹介」と題して、細胞治療内科学講座教授・横手幸太郎氏より講演があった。
加齢に着目した基礎および臨床研究を推進し、新しい高齢者医療の形をつかむという主旨で講座を開設した。
基礎研究では、酸化ストレスからくる老化の病態を調べ、対抗方法を研究する。また、早老症(ウェルナー症候群)の研究を進め、診断基準を新たに作ったり、患者の皮膚から作ったiPS細胞を元に治療や老化の解明につなげていきたい。
臨床研究では、慢性疾患を対象とした病診連携モデルの構築と実践、千葉県下の医療施設を結ぶ臨床試験ネットワークの構築、これらを活用したエビデンスの創出などを進めていく。
教育面では、千葉大学には老年医学を教える系統講義がないため、今年は医学部6年生を対象に総合講義「長寿社会と医療」を実施。その中で先進加齢医学寄附講座から清水孝彦准教授、小林一貴助教が参加している。
また、現在建築中の新外来棟において、高齢者医療センターの構想に研究成果を反映したいと話した。
講演終了後、質疑応答では講演で述べられたような高齢者医療の課題をあらためて確認し、散会となった。