地域医療ニュース
千葉大学高齢者関連3部門開設を記念して
「高齢社会を考えるシンポジウム」が開催
2012. 08. 08 文/梅方久仁子
柏市での在宅医療の
社会実験の取り組み
東京大学高齢社会総合研究機構特任教授
辻 哲夫氏
辻 哲夫氏
次に、東京大学高齢社会総合研究機構特任教授・辻哲夫氏から、「急速な都市の高齢化と在宅医療について」として講演があった。
2年数カ月前から柏市で、在宅医療の社会実験を実施中だ。地域の医師会、多職種、市役所の人たちが徹底的に話し合い、東大がコンサルタントとして調整して、進む方向を決めている。
今後、首都圏周辺の都市部で急激な高齢化が進み、医療資源が不足する。安心して地域で生活を続けるには、24時間の医療システムが必要だ。そのためには、かかりつけ医が在宅医療を行い、在宅支援診療所が拠点となってバックアップするのがよい。つまり、点を面にするやり方だ。
柏市豊四季台で2014年(平成26年)1月から3月にかけて、地域医療拠点、サービス付き高齢者向け住宅、24時間対応の看護・介護サービスなどを備えた地域包括ケアシステムを具現化する計画が進んでいる。
また、かかりつけ医に訪問診療をしてもらうための研修プログラムを作成した。座学は最低限として、あわせて2日半で訪問診療同行や多職種の緩和ケア、認知症ケアについてのグループワーク中心に組んだ。評価が高く、松戸市でも採用される予定だとのこと。