地域医療ニュース
現場から見た新しい医療連携のあり方とは?
海匝地区で地域医療連携懇談会開催
2012. 08. 02 文/大森勇輝
以上の4講演が終了後、質疑応答の時間に移った。そこで問われたのは、患者は自身が望むどこの医療機関でも診断してもらえるという「フリーアクセス」についてである。
これに関して、フリーアクセスという権利自体は尊重されるべきだが、海匝地区においては、そのような概念は浸透していないのではないかと関谷氏は語った。また、宮地氏は医療資源の選択肢が限られているからこそ、かかりつけ医を住民は持たなければならないと指摘した。
一方で、会場にいた旭中央病院の医師からは、年間6万3000人の救急患者が旭中央病院に運び込まれるが、実際に入院するのはその1割。だからこそ、クリニックなどとの日常的な連携が必要との指摘があった。
ここで問われた以上のような指摘を含むさまざまな課題は、今後、地域全体で考えなければならない問題といえよう。こういった課題を解決するためには、最後の演者である大柳氏が指摘した「顔の見える関係づくり」が必要だ。そういった関係を作るためにも、講演者と講演を聞きに集まった医療関係者との懇親会がこのあと行われた。