医療現場からの提言

2019年

vol.03 中高年の運動の始め方

体を動かしたくなる季節が近づいてきました

中村:

春、桜が咲きポカポカしてくると、思わず運動したくなります。
しかし、中高年の運動不足は生活習慣病の温床です。だから、運動不足の中高年の急な運動は、体に毒になる可能性があります。そこで、若々しく元気なカラダを取り戻そうと思っているあなたに、今日は中高年の運動の始め方についての注意点をお教えしましょう。
運動には、運動中の過剰な血圧上昇・不整脈・狭心症・心筋梗塞・ぜんそくの誘発・関節炎や筋骨格系の傷害などさまざまな落とし穴が潜んでいます。運動は、諸刃の刃(やいば)です。

注意点を教えてください

中村:

運動を始める前には次の2点に注意しましょう。一つがメディカルチェック、もう一つが運動の強さ・頻度・持続時間・種類・フォームなどです。
中高年では、運動中に収縮期血圧が簡単に200mmHg以上になるので、狭心症や突然死の原因になる危険な不整脈も出やすいのです。また、筋力不足・関節障害・悪い運動フォームのために膝や腰など思わぬ運動器障害を引き起こし、かえって健康を損なうこともあります。ですから、アクティブな中高年は医療機関で、どのような運動を、どのくらいの強さで、どのくらいの頻度でやると良いのかかかりつけ医に相談しメディカルチェックを受けてから、安全に楽しく運動を始めましょう。

他にアドバイスはありますか

中村:

運動の継続のためには仲間が必要です。千葉社会保険病院運動療法部の調査では、一人で3ヶ月継続出来る人が約30%、3年以上継続出来る人は、たったの3%しかいません。ところが、仲間と続けたグループでは20年以上続きました。一人で運動すると、暑い夏、寒い冬の脱落が多いのです。その点、ラジオ体操は、お勧めです。毎日仲間とラジオ体操をすれば、運動だけでなく会話も脳を活性化し、生活習慣病だけでなく認知症予防もでき、地域のつながりも広がるのです。
さあ、以上の点に注意して、運動不足を解消しましょう。

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