地域医療ニュース

地域別公開講座「最期まで自分らしく生きる」
が開催される

2013. 11.28   文/梅方久仁子

終末期でも、口腔ケアは重要

千葉大学医学部附属病院副院長・企画情報部教授 高林克日己 氏
千葉県歯科医師会理事
栗原正彦 氏

 次に千葉県歯科医師会理事の栗原正彦氏が、訪問歯科診療の事例を紹介した。

 人はどこにいても水分と栄養を摂取しなければならない。コミュニケーションを取る必要もある。だから、口の健康は非常に大切だ。

 歯科診療に必要な機械はすべて携帯できるものがあり、訪問して診療できる。

 家族や介護者が義歯が入っていることに気づかず、何カ月も外していないで、非常に汚れていることがある。また、脳梗塞で半身麻痺の人は、食後、麻痺したほうの歯にどうしても食べ物が残ってしまう。口腔ケアが行き届かないと誤嚥性肺炎になりやすいことが分かっていて、口腔ケアはとても重要だ。

 がんの終末期患者を最期までケアしたことがある。亡くなる1カ月前に義歯を入れて、おいしくカステラを食べてもらった。そのときの患者さんの喜んだ顔が、忘れられない。

 千葉県歯科医師会には、在宅歯科医療連携室がある。歯科のことも忘れないでほしい。私たちも努力するので、是非連携していきたいとのことだった。

終末期を充実させるためには口腔ケアも重要だと力説。