地域医療再生プログラムとは?
第1回 「医療崩壊」と千葉県の医療
?千葉県は全国的な「医療崩壊」のシンボル。だからこそ再生のモデルにもなり得る?
2011. 9. 1 文/桶谷仁志
この連載では、「千葉県地域医療再生プログラム」を、わかりやすい図表を中心にして解説していきます。今回は、2006年(平成18年)ごろから問題になった「医療崩壊」と、プログラムの大きな特徴をクローズアップしました。
「医療崩壊」の背景は医師数、医療費抑制政策
病院の救急部門や産科の現場で、患者の受け入れ不能という事態が相次いで起きたのがきっかけで、2006?2007年(平成18?19年)ごろから、「医療崩壊」という言葉が一般にも広く知られるようになりました。医療崩壊とは、医療現場の医師が不足することによって、医療サービスの提供体制(病院とその機能)が破綻することを指しています。
医師不足の背景は何でしょうか。もともと日本の医師数は、先進各国の中ではかなり低い水準にあります。世界の先進30カ国が加盟しているOECD(経済協力開発機構)の統計によれば、日本の人口1000人当たりの医師数(下図「医師数看護師数の国際比較」)は2.1人で、30カ国中27位です。