地域医療ニュース

医療と福祉の連携を市民の視点で考える
地域シンポジウムが東金市で開催

2013. 06.03   文/大森勇輝

 一方で、がんの自覚症状について、「自覚症状が出たら手遅れ」とも言われているが、実はほとんどのがんは自覚症状が出てからでも対処可能だという。反面、自覚症状が出ても怖くてなかなか病院に行かず、いざ病院で検査したときには全身転移で緩和ケアぐらいしかできないというケースもあったとのこと。だからこそ、味覚が変わった、痰が絡む(肺がん)、しこりがある(乳がん)、子宮からの出血(子宮頸がん)、胸骨の裏側の痛み(食道がん)など、普段と違う症状があったら、病院に行って相談すべきだと強調した。

 では、病院で検査を受けがんだと言われたら、どうすればよいのだろうか。実際に医師からがんを宣告された際はパニックになるかもしれないが、落ち着いてから担当医に確認しておきたいこととして、篠原氏は次のような項目を挙げた。

・何というがんなのか?
・検査の種類はどういったものなのか?
・がんが体のどの部分にあり、どの程度広がっているのか?

左:がんと診断されたらどうするか。
右:がん治療を受けるときの心構え。(クリックすると拡大します)

 そのうえで、いざ治療を受ける段になった際、次のような心がまえがあるのが望ましいという。

・自分のことは自分で責任を持つ
 つまり、自分の体のことなのだから、医師の言いなりにならず、はっきりと希望を述べる。

・周りにきっちり伝える
 たとえ医師に状態や懸念を率直に伝えられなかったとしても、少なくとも家族など回りにきちんと自分の状態を伝えておく

・治療医との良好な関係を保つ
 ご機嫌取りということではなく、あくまで対等ないい関係を保つ。

・何でも相談できるかかりつけ医を持つ
 治療医は時間がないこともあるので、自分の体をよく知っているかかりつけ医を持つことが大事。

・病気に対する見通しを知る
 これは難しいことかもしれないが、そもそも治るのか治らないのか、どれくらいの期間にどういう変化が起こるのか、ということを自分で確認できるほうが望ましい。篠原氏によると、医師が患者に説明してないケースは意外と多いという。だからこそ、主体的に病気のことを知るべきというわけだ。