地域医療ニュース

糖尿病をテーマに銚子市で地域医療フォーラムが開催

2013. 01. 11   文/寺西 芝

規則正しい生活が子どもを肥満から守る

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 休憩を挟んでの後半は、若年層での肥満がどのような危険を伴うのかについての話から始まった。

 千葉県安房地域の小学校における調査データ(西船内科・篠宮正樹らの研究結果 による)を挙げ、小児肥満だった多くが成人になっても肥満が解消されないと警鐘を鳴らす。小児肥満が成人肥満の予備軍となることを実証した形だ。

 また、「早寝、早起き、朝ごはん」について調べたところ。この3項目をきちんと守っている子どもは統計的に肥満が少ない。しかも、この3項目を守っている子どもの保護者は健康への関心が高いことも分かっており、規則正しい生活と家族の意識が子どもを肥満から守ることにつながっている。

 子どもには厳しくても孫には甘いという人も多い。野放図にお菓子を与えてしまうことは、その子の将来を考えたときに本当にいいことなのかを考えてほしいと横手教授は言う。小さいときからの「食育」は大事なのだ。

 最後は、成人の場合に話を転換し、運動時間を増やすなど生活習慣の改善で肥満を減らすことを心がけてほしいと訴えた。

 ただ、高齢者の場合は筋力を落とさないように気をつけなければならない。食事療法といっても、筋肉を落とさないような食事が大事。体重や体脂肪を落としたいのであれば、安全な運動をしっかりとして、筋肉を維持することを心がけるべきだと語り、注意を促した。

 子どもから成人まで様々なデータを示しながら、非常に丁寧に話す横手教授の講演は、参加者にとってはとても分かりやすく、かつ有益であったのではないだろうか。

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