地域医療ニュース

千葉市で「第10回市民のための糖尿病教室」が開催

2012. 12. 25   文/梅方久仁子

医療スタッフ有志による寸劇も

  講演に続いて、医療スタッフ有志による寸劇「ちょこっと改善! これ以上薬を増やさないために出来ること」が上演された。医師と糖尿病療養指導士の有志からなる劇団「Dr.山本とゆかいな仲間たち」によるものだ。
 何でも人のせいにしたがる糖尿病患者・御前野誠三氏と妻の為代さんが病院に出かけ、さまざまな指導や情報提供を受けていくというストーリーだ。
 御前野氏は食事記録をつけてくるよう言われていたのに、面倒がって何も記録していなかった。「食事管理は妻の仕事だ」という御前野氏に、医師は「食事を作るのは奥さんでも、それを口に運ぶのは自分ですよね」と諭す。
 診察のあとに、御前野夫妻は管理栄養士による栄養指導を受ける。禁酒が難しくてもできるだけ低カロリーのお酒を飲むように工夫すればよい、周囲の人に食事療法をしていることを伝えて協力してもらうとよいなど、実行しやすい形で食生活を改善する方法をいろいろアドバイスしてもらう。また、バランスのよい食事を取るための量の目安についても教わった。
 さらに健康運動指導士からは、椅子に座りながらでもできる簡単な運動、看護師からは治療を中断しないことの大切さと、糖尿病連携手帳の活用法について話を聞く。薬剤師からは、健康食品や最近のインスリン注射器のことなど、薬に関する情報やものの見方を教わる。
 いろいろな情報を得て考え方が変わってきた御前野夫妻。観客は、自分勝手な御前野氏ととぼけた妻の会話に笑いながら、糖尿病についてしっかり学ぶことができた。

 その後は抽選会で大いに盛り上がり、予定されたプログラムが終了。最後に千葉県糖尿病協会副会長の藍原敏郎氏による閉会の言葉で会が締めくくられ、参加者は帰途についた。

医療スタッフ有志による寸劇。診察のあとに栄養指導を受けるという設定で、様々な健康に関する情報を提供する
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