地域医療ニュース
千葉市で「第10回市民のための糖尿病教室」が開催
2012. 12. 25 文/梅方久仁子
健康診査で腎機能検査を強化
一つめの講演は「いすみ市の糖尿病対策の取り組み状況について」。いすみ市健康高齢者支援課、保健師の田邊理美氏が講師を務めた。
いすみ市では、増加する糖尿病を予防し、糖尿病性腎症で透析治療を始める年齢を少しでも遅くするため、2011年度から取り組みを行っている。
まず、腎機能をより詳しく調べるために、40歳から受診する特定健康診査で、クレアチニン、eGFR、尿中タンパク量、尿中アルブミンの4項目を追加した。結果の判定は、医師会の協力で判定基準策定委員会を立ち上げて基準を定め、腎機能判定委員会にて総合的に判定するようにした。
さらに早期の生活習慣病予防のため、30代を対象にした生活習慣病予防健診を開始。2011年は93人、2012年は182人が受診した。その結果、30代でも腎機能検査結果で3.8%が、医師への受診を勧める「受診勧奨」の判定となった。
健康指導または受診勧奨と判定された人には、糖尿病教室や結果説明会、健康相談などで支援を行った。
また、重症化を予防するためには治療を中断しない仕組みを作ることが重要と判断。市内の医療機関の協力で、受診者のうち同意を得られた人の受診歴や検査データを市が管理して、治療の中断を発見したら支援するようにした。また、特定健診の受診結果をシステムに入力して、経年的に状態管理ができるようにもしている。