地域医療ニュース
「これからの医療について」をテーマに
茂原市で健康フォーラムを開催
2012. 08. 03 文/梅方久仁子
常に全力を出していれば
若々しくいられる
黒木知宏氏
休憩のあとは、第2部の特別講演だ。元千葉ロッテマリーンズ投手のジョニーこと黒木知宏さんが「野球と健康と人生」をテーマに講演した。元プロ野球選手らしく明るく元気で、自らの体験を交えたわかりやすい講演に、会場は大いに沸いた。
黒木さんは現在、各地の学校に出向いて子ども達に野球を教えるジョニープロジェクトを開催している。そこで黒木さんが伝えようとしているのは、コミュニケーションの大切さ。子どもの頃から野球をやる中で、コミュニケーションの大切さを痛感してきたからだ。また、キャッチボールでは、相手の胸や顔に向かって投げる。相手が捕りやすく、次の動作に移りやすいようにするためだ。これは思いやりであり、やさしさ。ジョニープロジェクトでは、そんなことを子ども達に伝えたいという。
結果を出すためには目標を立てて何が必要かを逆算することが大切と語る黒木氏。最近、彼の奥さんがダイエットに成功したとの話題を披露。1カ月で1キロやせるという目標を立ててコツコツ努力を続け、10カ月で10キロやせたという。これを聞いた黒木氏は「正直感心した。皆さんも1年後にどうなるかを目標に、今何をするかを考えましょう」と語りかけた。
「常に全力を出すこと」についても熱く語った。ベテランだからと手を抜くと、しだいに最大出力が落ちていく。イチロー選手のように常に全力を出していれば、年を取っても衰えない。「何でもいいから1日1回、全力を出してみてください。身体が動かなければ、心でもいいし、挨拶のようなことでもいい。どこかで自分の最大出力を出すという意識を持てば、いつまでも若々しくいられますよ」という。
それから、「最後まであきらめないこと」の例として出たのが、千葉ロッテマリーンズが17連敗という歴史的連敗記録を喫したときの話だ。黒木氏が登板し、この連敗ワースト記録をなんとか止めようとした試合。氏の踏ん張りもあり、マリーンズは9回まで1点差で勝っていた。しかし9回に同点ホームランを打たれ、その時点であきらめてしまったという。最後は逆転負けで17連敗を喫し、この時点のプロ野球ワースト記録を塗り替えてしまったのだ。あとで同僚の小宮山投手から、同点ならまだ勝つチャンスはあったことを指摘され、それ以来、本当に最後まであきらめないと肝に銘じているそうだ。
自らの体験を元に語る熱い思いは、多くの人の心に直球で届いたに違いない。講演の最後は、黒木さんが大好きだという言葉で締めくくられた。「いま頑張れ。いま頑張らずに、いつ頑張る」。