地域医療ニュース

「これからの医療について」をテーマに
茂原市で健康フォーラムを開催

2012. 08. 03   文/梅方久仁子

安心な在宅療養のためには
医療系と介護・福祉系のサービスの充実を

 第1部の2番目には、茂原市長生郡医師会訪問看護ステーション所長・古谷ゆり子氏が登壇、「安心な在宅医療を目指して」と題した講演を行った。

 訪問看護を利用するのは、病気や障害があって自宅で過ごしている人で、医師が訪問看護を必要と認めた場合とのこと。古谷氏の所属するステーションでは、平成18年度には123名だった利用者数が21年度を境に増加し、現在は160名から170名になっている。今後も在宅で医療系サービスが必要な人が増加していくと予測されており、実際の利用者の症状も、医療ニーズが高い人や終末期の人が増えているという。

 かかりつけ医がいても医師は日中診療しているので、夜中に具合が悪くなったときなどに、すぐ来てもらうのは難しい。その点、茂原市長生郡医師会の訪問看護は24時間体制なので、いつでも呼べるのが特徴。訪問看護師が状態を観察したうえで、必要があれば医師に報告・指示を受けるので安心だ。利用者はいつでも連絡できるし、迷ったときにも気軽に相談できる。

 訪問看護の料金は、30分以上1時間未満の滞在で約850円。介護保険は1割負担なのでこの値段だが、介護保険を利用できないと医療保険になり、状況によって負担額は1割から3割となる。ただし、特定疾患や障害者手帳がある人は、別途公費負担を受けられることが多いので、まずは相談してほしいとのことだ。

訪問看護の料金は介護保険なら1割負担。1時間までの滞在で約850円だ。

 訪問看護には、福祉系サービスなど他職種との連携が欠かせない。安心な在宅療養を送るには、医療系と介護・福祉系の2つのサービスが必要だ。そして必要なサービスを確保するには、地域のサービスの充実が大切。今後の在宅療養を支えていくために、医療系、介護・福祉系の2つのサービスを充実させていかなくてはならないと語った。