健康トピックス

医療トピックス

2016.10.05

「血栓症」を知ろう

血栓症とは

血栓症とは、血管内に血の塊が詰まってしまい、血の流れを止めてしまう病気です。この血の塊を血栓と言い、血栓ができる場所によってさまざまな病気を引き起こします。血流が速い動脈に血栓ができることを動脈血栓症、血流が遅い静脈に血栓ができることを静脈血栓症と言います。それぞれの血栓症の特徴をしっかり理解しましょう。

血栓症の種類と原因

動脈血栓症、静脈血栓症で、引き起こされる病気や原因はさまざまです。

動脈血栓症は、血液がどろどろして固まりやすい人や、血液や血管壁に異常がある人などがかかりやすいと言われています。静脈血栓症は、長時間手足を動かさずにいることなどが原因で、血液の流れが滞り血栓ができてしまう血栓症です。

血栓症の分類 代表的な病気 主な原因
動脈血栓症 心筋梗塞、脳梗塞(心房細動が原因の脳梗塞を除く)(※1)、閉塞性動脈硬化症に起因する血栓症 動脈硬化性疾患(高血圧、脂質異常、糖尿病など)、不整脈、弁膜症、血管炎 など
静脈血栓症 深部静脈血栓症、肺塞栓、脳静脈洞血栓症、腸間膜静脈血栓症、エコノミークラス症候群 など 長時間座位による下肢の圧迫、ギブス固定、妊娠、心疾患、肥満 など
(※1) 心房細動は、心臓の心拍数やリズムが一定でない不整脈の状態を言います。心房細動中は血液がスムーズに流れず、血栓ができやすい状態となります。この際に形成された血栓が、脳まで流れ脳の血管を詰まらせてしまうと、脳梗塞を引き起こすことがあります。
脱水症状による血栓症
動脈血栓症の代表的な症状のひとつに、脱水症状により引き起こされる血栓症があります。脱水症状になると、体内の水分が減少することで血液がドロドロになり、血栓ができやすくなります。冷や汗やめまいなど、熱中症に似た症状から、熱中症と勘違いされることもあるため、十分な注意と正しい判断が大切です。そして、常日頃からこまめな水分補給の習慣をつけ、予防をしっかり行いましょう。
エコノミークラス症候群
静脈血栓症の代表的な病気のひとつに、エコノミークラス症候群があります。エコノミークラス症候群は、深部静脈血栓症と肺塞栓が同時にみられる病気のことです。飛行機などで長時間足を動かさずに同じ姿勢でいることで、足に血栓ができることがあります。その血栓の一部が血流にのって肺まで流れ、肺の血管を閉塞してしまうことで、呼吸困難や失神などの症状を起こす大変危険な病気です。麻痺などの重い障害が残ったり、最悪の場合は死に至るケースもあるため、十分に注意しましょう。

治療と予防法

血栓症は、血液を固まりにくくする薬を使用し治療を行います。しかし、動脈血栓症と静脈血栓症では生成される血栓が異なることから、それぞれに異なる治療薬を使用します。

血栓症の分類 生成される血栓 治療薬
動脈血栓症 血小板血栓(血流の速い血管で生成されやすい血栓) 抗血小板薬 など
静脈血栓症 フィブリン血栓(血流の遅い血管で生成されやすい血栓) 抗凝固薬 など
動脈血栓症の予防

・ 数分歩く程度の軽い運動でも良いので、運動を習慣にしましょう。

・ バランスの良い食事をとり、生活習慣の改善を心がけましょう。

・ 水分補給をしっかりしましょう。

静脈血栓症の予防

・ 長時間同じ姿勢でいないように心がけ、飛行機のように長時間身体を動かせない状況の場合は、足首や足の指だけでも動かして血液の流れを良くしましょう。

・ 水分補給をしっかりしましょう。

血栓症は、血栓の場所や程度によって、命にかかわる危険な病気を引き起こします。少しでも身体に異常を感じたら、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。

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