医療現場からの提言

2019年

vol.06 適温保ち熱中症予防を

熱中症はどんな時に起きるのですか

織田:

熱中症とは、高温環境下で体温調節機能がうまくいかなくなり、さまざまな症状を呈する状態を言います。多くは暑熱環境で激しい運動や労働を行った時に起きますが(労作性熱中症)、屋内でも発症します(非労作性熱中症)。また、体水分量の少ない高齢者や体温調節機能の未熟な乳幼児で起こりやすいことが知られています。

どんな症状が出るのですか

織田:

熱中症の症状は、Ⅰ度~Ⅲ度に分類されます。Ⅰ度(軽症)は、めまいや失神(立ちくらみ)、大量の発汗、筋肉の硬直(こむら返り)など、Ⅱ度(中等症)では頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感(力が入らない)、集中力や判断力の低下などが現れます。Ⅲ度(重症)では40度以上の高体温、意識障害、肝・腎機能障害、血液凝固障害がみられ、命にかかわる危険な状態です。

それぞれの対処方法を教えてください

織田:

Ⅰ度の場合は涼しい場所で休ませ、水分と電解質(ミネラル)を摂取させます。水やお茶を飲むと、血液が薄まって電解質濃度が低下し、筋けいれんや頭痛・嘔吐が起こるため、ミネラルを含んだスポーツドリンクや経口補水液を飲ませるようにします。Ⅱ度では重症化する危険性があるため、医療機関を受診させます。病院では点滴を行って水分や電解質を補うとともに、血液検査で肝・腎機能障害や血液凝固障害の有無を調べます。Ⅲ度では緊急治療が必要です。救急車を呼び、集中治療が可能な高次医療機関に搬送します。点滴や体温管理に加え、集中治療室(ICU)で呼吸・循環管理、腎補助療法などを行います。

予防はできますか

森川:

熱中症は予防が重要です。熱中症の発症には気温だけでなく、湿度が大きく関与します。そのため気温と湿度から計算される「暑さ指数(WBGT)」を参考にします。暑さ指数25~28度は警戒レベル、28~31度は厳重警戒レベルで、外出時は炎天下を避け室内でも室温の上昇に気をつけます。31度以上は危険レベルで、外出を避け涼しい室内で過ごすようにします。高齢者は、クーラーを嫌がり我慢することで、室内にいても熱中症を発症することがあるので気をつけましょう。室内の温度を適切に保ち、定期的に水分を取るようにします。また、疲れがでないように規則正しい生活をするとともに、きちんと食事を摂るように心掛けましょう。

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