医療現場からの提言

2018年

vol.02 花粉症軽い時から対策

花粉症の症状を教えてください。

岡本:

花粉症は花粉によって引き起こされる代表的なアレルギー疾患の一つです。花粉が鼻の中に入ってくると発作性反復性のくしゃみ、水っぱな、鼻づまりといった症状の出現がみられます。鼻以外にも目の痒(かゆ)み、露出した皮膚の痒み、咳、頭重感などさまざまな症状がみられます。

症状を引き起こす花粉の種類は。

岡本:

花粉症を引き起こす花粉としてスギ、ヒノキ、シラカバ、カモガヤ、ヨモギ、ブタクサなどさまざまなものがありますが、特に日本特有とされるスギ花粉症は患者数の増加、症状の強さから大きな問題になっています。睡眠、就業、学業への影響から日常生活の障害が強くみられます。また、一度発症すると症状が自然に改善することは中高年者を除き、あまりみられません。

予防はどうすればいいのですか。

岡本:

花粉症の予防としては、まず原因となる花粉の曝露を受けないようにすることが重要ですが、マスクやメガネを着用しても十分に効果を得ることは簡単ではありません。症状が出てしまった場合の治療としては薬物療法が最も広く行われています。症状が軽い時から開始することがポイントです。副作用の少ない薬がいくつも登場していますが、市販薬には眠気を強く引き起こし、しかも自分では気が付かないような成分が含まれているものもあり注意が必要です。効果の強さと副作用の強さには関連はありません。薬物治療はあくまで症状を抑える対症療法です。

根治する治療方法はありますか。

岡本:

根本的に改善させる可能性がある治療としては免疫療法があります。現在はスギ花粉症だけが対象ですが、エキスを口内に投与して治療を行う舌下免疫療法は、痛みがなく、重い副作用は非常に少なく、自宅で行える治療として注目されています。また、新しい取り組みですが、スギ花粉に対する抗体検査が陽性で、今後花粉症の発症する危険性が高い方に対して免疫療法が予防効果を持つと期待されていて、現在その検討が進んでいます。

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