健康トピックス

2020.03.04

足の病気「外反母趾」

外反母趾とは

外反母趾は、足の親指が人差し指に向かって「くの字」曲がり、つけ根の突き出した関節部分が痛む足の病気です。突き出した部分が靴に当たって炎症を起こし悪化すると、靴を履いていなくても痛みを伴います。年齢関係なく発症しますが、30~50歳代で悪化しやすいと言われており、女性に多く起こります。原因は、ハイヒールや幅の狭い靴、つま先が細い靴を履くことで、親指のつけ根が圧迫されて変形するためです。ヒールの高い靴の場合は、つけ根にさらに力がかかるため、圧迫を強くします。10歳代で発症する場合は、親指が人差し指より長い、または生まれつき偏平足気味であると外反母趾に起こりやすいといわれています。また、30~50歳代で発症する場合は、肥満や筋肉力の低下によって起こることがあります。ほかにも先天的な腰の病気を持っていたり、足の親指の筋肉が動かしにくいためになりやすい場合もあります。変形しても痛みが出ないことがありますが、そのままにしていると他の指に負担がかかり、親指以外の部分が痛んできます。

外反母趾の合併症やほかの足の病気

足は、外反母趾以外の病気が起こる場合があります。外反母趾と合併して発症する場合も多いため、注意が必要です。

強剛母子
外反母趾に次いで多い病気です。真横から見ると、親指の関節の骨が鶏のトサカのように盛り上がっています。靴があたって痛い、親指が反らないなどの症状があります。高齢者の男性に多く発症し、加齢が原因となります。
内反小趾
足の小指の付け根が靴に当たって痛み、外反母趾と合併していることが多い病気です。
モートン神経腫
足の中指と薬指の間が開いた状態で、しびれが起こります。ハイヒールを履いたり、しゃがんで作業をすることが多いと発症しやすく、神経の根元が押されることで痛みが生じます。

主な治療法と予防法

外反母趾の予防のためには、親指のつけ根がフィットして、つま先部分がゆったりとした履物を選びましょう。足の指すべてを開く外反母趾体操や、両足の親指に輪ゴムをかけて足先を開く体操を、毎日行うことも予防になります。外反母趾になりそうな場合には、親指と人差し指の間に装具をはめる治療を行います。変形が進むと、指についている筋肉も変形を助長し、体操や装具ではもとに戻らなくなっていきます。痛みが強く、歩行できない場合には、手術を行います。手術後は、翌日から歩行可能ですが、靴が履けるようになるには、2か月程度必要です。親指が中度以上に曲がり始めたら医療機関を受診することをおすすめします。

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