健康トピックス

2018.05.23

風邪の症状に似た病気「溶連菌感染症」

溶連菌感染症とは

溶連菌は、正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌です。人に病原性があるものは、A群、B群、C群、G群などです。溶連菌感染症の90%以上はA群によるもので、一般的には「A群溶血性連鎖球菌」による感染を溶連菌感染症といわれます。溶連菌感染症は、この「A群溶血性連鎖球菌」が人の体内に入ることによって起こります。主にのどに感染し、「咽頭炎」や「扁桃炎」、手足に赤い発疹を伴う「しょう紅熱」などを引き起こします。人と接触する機会が多い場所で集団発生しやすく、幼稚園や保育園、学校など集団生活を伴う子どもがかかることが多いです。感染してからだいたい2~5日ほどで症状が出始め、急な発熱、のどの痛みなどを伴います。抗菌薬を飲み始めて2~3日ほどで熱が下がり、のどの痛みもやわらぎますが、確実に溶連菌を退治するためには、症状が消えても抗菌薬を飲み続けることが大切です。抗菌薬については、かかりつけ医に相談してください。

主な症状の変化

溶連菌感染症にかかると下記の順番で症状が変化していきます。発病してから1~2日ほどは、風邪と間違えやすい症状が多いため、よく注意してください。

①発病から1~2日

・ 咽頭炎、扁桃炎:発熱、のどの痛みが見られる。頭痛や腹痛、首すじのリンパ節の腫れがみられることもある。
・ しょう紅熱:顔~全身にボツボツとしたかゆみを伴う赤い発疹が見られる。

②発病から2~4日

・ いちご舌:舌にいちごのようなぶつぶつができる。

③発病から5日

・ 皮膚落屑:全身発疹が消え、手や足の指先から皮膚がむけはじめる。

治療法と予防法

溶連菌感染症の症状がおさまっても、体内に菌が残っていると、「リウマチ熱」や「急性糸球体腎炎」などの重大な合併症を引き起こすことがあります。合併症予防のためには、症状がおさまってから10日ほどは抗菌薬を飲み続ける必要があります。薬によって内服する期間が異なるため、かかりつけ医に確認するようにしてください。

食事はのどに刺激の強い「熱い」「辛い」「すっぱい」食べ物は避け、なるべくのどごしがよく、消化のよいものを食べるようにしてください。食事ができない場合は、脱水症状を防ぐためにも水分は摂るようにしましょう。

また、溶連菌感染症は咳やくしゃみなどによって飛沫感染することがあります。学校や幼稚園への登校は、合併症や再発、他者への感染の恐れもあるため、必ずかかりつけ医に相談してからにしてください。子どもにかかりやすい病気ですが、大人でも感染することがあるため、家族は特に注意が必要です。

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