2018.01.31
急性出血性結膜炎とは
「急性出血性結膜炎」はエンテロウイルス70型(enterovirus 70)とコクサッキーウイルスA24変異型(coxsackie 24 virus variant)に感染したことで発症する眼の病気です。ウイルスが付着した手で眼に触れること、ウイルスが付着したタオルや洗面器などに触れることで感染します(接触感染)。
症状は、強い目の痛みや異物感で始まり、結膜の充血や出血を伴うことが多く、1~4歳に比較的多く感染がみられます。「急性出血性結膜炎」は約1週間で自然と治りますが、ウイルスを完全に退治するには数週間から数ヶ月間かかり、エンテロウイルス70型に感染すると、6~12か月後に手足の運動麻痺が起こることがあります。そのため、注意して経過観察を診てもらうことが大切です。
また、エンテロウイルス70型とコクサッキーウイルスA24変異型は、非常に感染力が強いので、感染を広げないためには注意が必要です。
「急性出血性結膜炎」の主な症状
初期症状は他の結膜炎と区別がつきませんが、だんだんと強い眼の痛みなどの症状があらわれます。以下の症状がみられる場合は「急性出血性結膜炎」の可能性があります。
・ 強い眼の痛み ・ 異物感 ・ 結膜の充血 ・ 結膜の出血 ・ まぶたが腫れる ・ めやに ・ 眼のむくみ ・ 眼の表面に濁りがでる |
治療法と予防法
細菌性結膜炎は抗菌薬を2~3日点眼することで、症状が改善します。ところが「急性出血性結膜炎」には、今のところ特別な治療法は無く、感染したウイルスに対する免疫ができ、自然に治るのを待つしかありません。「急性出血性結膜炎」は、ウイルスを完全に退治するのまでに、呼吸器からは1~2週間、便からは数週間から数ヶ月間かかります。ウイルスを排出している間は他人にうつる可能性があるため、万が一「急性出血性結膜炎」になった場合は、かかりつけ医に相談するようにしましょう。
また、学校保健安全法では、「急性出血性結膜炎」は第3種の感染症に定められており、「急性出血性結膜炎」と診断されたら、指定届出機関に届けなければなりません。そのため、感染の恐れがないと認められるまでの間は出席停止になります。さらに、家族やまわりの人にうつさないように注意する必要があります。このウイルスは感染力が強く、眼をこすったりふいたりしたハンカチやタオルからでも他の人にうつる危険があります。下記の予防法で感染拡大を防ぎましょう。
- (1)できるだけ他人との接触を避けるようにしましょう。
- (2)眼をさわったらすぐに石けんと流水で手洗いをしましょう。
- (3)家族内で、タオル、枕、そのほか、目やにや涙で汚れそうな物の共用は避けるようにしましょう。
- (4)入浴は家族内で最後にするか、シャワーのみにしましょう。