2018.01.24
黄色ブドウ球菌とは
黄色ブドウ球菌は、人や動物の手指や鼻、のど、耳、皮膚などに潜む菌です。特に傷口や化膿しているところに多くの菌が存在しています。菌は、食品中で増殖し、「エンテロトキシン」という毒素を作ります。その毒素がついた食品を摂取すると、30分~6時間の潜伏期間を経て、突然嘔吐や腹痛、下痢などの食中毒を引き起こします。
菌の付着経路としては、調理する人の手指から菌が付着することが多く、おにぎりやサンドイッチ、お弁当などさまざまな食品が原因となります。
黄色ブドウ球菌の毒素は、熱や乾燥、胃酸、消化酵素に強いため、加熱してある食品でも食中毒を引き起こします。
黄色ブドウ球菌食中毒の治療法・予防法
黄色ブドウ球菌食中毒にかかった場合は特別な治療法はありませんが、1~2日で回復し、ほとんどの場合重症化することはありません。もし食中毒になってしまったらかかりつけ医に相談するようにしましょう。
食中毒を予防するには、菌を「つけない」ことが大切です。下記の予防法で未然に防ぎましょう。
【1】手指の洗浄・消毒を十分に行う
手にはたくさんの菌がついています。特に調理をする場合や食事の時には、必ず手を洗いましょう。
【2】手指などに傷があるときには、食品に直接触れない
手に傷があると黄色ブドウ球菌が増殖し、食品に付着する可能性が高くなります。どうしても食品に触れなければならない場合は、手袋などを着用して、菌が付着するのを防ぎましょう。
【3】調理中に髪の毛や顔などに触らない
調理中には身の回りを清潔に保つようにしてください。調理器具の洗浄・殺菌も十分に行いましょう。
【4】食品は10℃以下で保存し、菌が増えるのを防ぐ
食べものについた菌を増やさないためには低温で保存することが重要です。肉や魚などの生鮮食品は、購入後できるだけ早く冷蔵庫に入れ、下ごしらえから、調理、食べるまでの時間はなるべく短時間に済ませましょう。
冷蔵庫内でも、ゆっくりですが菌は増えるので、冷蔵庫を過信しすぎないようにしましょう。
【5】できるだけ加熱処理をする
黄色ブドウ球菌がつくる毒素は、熱に強く、加熱では破壊できない毒素(エンテロトキシン)を作るため、残った調理済み食品の再加熱には気をつけましょう。