2017.01.12
白内障とは
眼の中には、水晶体という物を見るために非常に重要な組織があります。この水晶体は、外から入ってきた光を屈折させて網膜に像を写す、カメラのレンズの役割をします。
白内障とは、この水晶体が白く濁り視力が低下する病気のことです。
現在、薬は予防と進行抑制にのみ用いられ、進行した白内障の場合は手術をするしか治療方法がありません。発症率は非常に高いですが、放置さえしなければ基本的に失明する病気ではありませんので、しっかり病気の特徴を理解し、早期治療を心がけましょう。
白内障の症状
白内障の初期症状はほとんどないため、発症に気がつきにくい病気と言われています。初期段階では、視力が低下することが多いです。この場合、メガネやコンタクトレンズでも矯正できなくなります。
進行すると視界が暗くなったり、白っぽく霞んで見えたり、通常より光を眩しく感じることもあるそうです。夜間に街灯や車のヘッドライトを見て極端に眩しいと感じた場合は、白内障を疑いましょう。
白内障の原因
白内障の一番の発症原因は加齢とされています。また、水晶体が濁ってしまう原因は、水晶体の細胞内のクリスタリンタンパクというタンパク質の異常変質と言われています。
加齢による白内障は、早い人で40代から発症します。80歳を超えるころにはほとんどの人が、90歳を超えるとほぼすべての人が白内障を発症しているとされています。そのほかに、アトピーや糖尿病などの特殊な薬の影響や外傷などによって発症する場合や、先天性の白内障もあります。
白内障の治療方法
進行した白内障の治療方法は手術しかありません。手術方法は、眼の中の濁った水晶体を取り除き、人工の水晶体(眼内レンズ)を挿入します。これにより、透過しなかった光が透過するようになり、視力は回復します。国内では、入院を必要としない日帰り手術が普及しており、手術自体は早ければ約10~15分程度で終了します。(ほかの疾患や合併症がある場合、手術時間が長くなることがあります。)
このように、白内障手術は短時間で終わり、日帰りも可能な治療方法となります。しかし、どんなに優れた手術でも、まれに合併症を引き起こす危険性があるため、術後の定期検査は必ず行いましょう。
眼の手術というだけで大変怖がって、手術を避ける人もいますが、放置をすると失明に繋がる恐れもある病気です。定期健診をしっかり受診し、日常生活で少しでも異常を感じたら、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。