2016.12.21
胃がんとは
胃がんとは、胃壁の内側にある粘膜の細胞に発生するがんで、はじめは非常に微細な大きさですが、数年かけて発見可能な大きさになります。進行するにしたがい、がん細胞は胃の壁に入り込み、全体を包む漿膜(しょうまく)の外に出て、大腸、肝臓、膵臓などに浸潤したり、血流に乗って肺や肝臓などに転移したりします。また、特殊なケースとして、胃の壁の中に広がるように浸潤し、粘膜の表面にはあまりあらわれない「スキルス胃がん」もあります。スキルス胃がんは、症状の進行した状態で発見されることが多く、治療が難しい胃がんの一つと言われています。
胃がんの原因と症状
胃がんの原因については、いくつかの研究が行われていますが、一番の原因は食生活と言われています。塩分のとりすぎや、野菜・果物の摂取不足、過度の飲酒、食べ過ぎといった食生活は、胃がんのリスクになります。そのほか、喫煙や過度のストレスなども原因と考えられています。また、50歳以上で感染率が非常に高い、ヘリコバクターピロリ菌の持続感染なども、原因の一つと指摘されています。胃がんは、初期段階では自覚症状に乏しく、検診などで偶然に発見されることが多いのですが、胃の痛みや不快感、胸やけ、吐き気、食欲不振が続くような場合は、できるだけ早めに検査を受けるようにしましょう。
胃がんの治療について
胃がんの治療法は、進行度合いによって異なりますが、主な治療方法として、手術(外科治療)、内視鏡治療の2つが中心となります。まずはしっかりと病状を把握し、担当医と相談しながら自分に合った治療方法を考え、わからないことは、なるべく質問するようにしましょう。
胃がんの予防について
胃の粘膜は粘液などで保護されていますが、刺激の強い食べ物を過剰に摂取すると炎症を起こし、胃がんの原因になる場合があります。塩分の過剰摂取や飲酒・喫煙は控えて、野菜や果物をバランスよく食べるようにしましょう。また定期的な検診も重要です。検診でピロリ菌が見つかった場合は、除菌をすることをおすすめします。早期発見のためにも、症状の有無にかかわらず、定期的に検診をしっかり受けるようにしましょう。