地域医療再生プログラムとは?

第4回 香取海匝保健医療圏の
「地域医療再生プログラム」その2

?再編・ネットワーク化は地域全体の診療機能の充実強化が大前提?

2011.10.19   文/桶谷仁志

 また銚子市立病院、多古中央病院は人間ドック、2次検診機能を強化し、検査の結果、主に両病院がカバーしきれていない診療科向けの患者を旭中央病院に紹介します。地域のかかりつけ医は、こうした各病院の役割分担の情報を把握し、必要な場合は、適切と思われる病院に患者を振り分け、紹介します。旭中央病院は紹介外来と難易度の高い手術の比率を増やし、現場医師の負担を軽減します。

 このような役割分担と機能再編が理想的に進めば、圏内の7つの自治体病院は、大きな単一の病院のように機能するはずです。

 また、圏内の患者は、かかりつけ医のアドバイスを受けながら、一般的な手術は近くの自治体病院で受け、より高度な医療を必要とする場合は旭中央病院に行くなど、圏内全体の病院を適切に利用することができます。医療サービスの消費者である患者が、日頃からそうした適切な病院利用を心がけることによって、現場医師の負担は軽減され、ひいては圏内全体の医療サービスのレベルも向上するのです。

医療連携パスとITネットワークを活用した医療連携の推進

 地域の医療機関の役割分担や連携を進めるにあたって重要なのは患者情報の共有です。このため、千葉県地域医療再生プログラムでは、すでに2009年(平成21年)4月から運用が始まっている「千葉県共用地域医療連携パス」(以下、連携パス)のさらなる普及への取り組みを、香取海匝保健医療圏で重点的に行うことになっています。

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 また、連携する医療機関同士をITネットワークでつなぎ、患者の治療情報や検査データが共有できれば、病院など医療機関での事務作業の軽減や検査の重複を解消できるため、これらを活用した医療連携を推進していくとしています。

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 次回は、山武長生夷隅保健医療圏の「地域医療再生プログラム」を見ていきましょう。