地域医療再生プログラムとは?
第2回 2つのモデル地域と目指すべき地域医療の全体像
?医療機関のネットワーク化、救急医療体制の整備が2大目標?
2011. 9. 6 文/桶谷仁志
その一方で、大病院への患者の集中という現象も起きています。拠点となる大病院に、本来は地域のかかりつけ医が対応可能なはずの患者が多数受診しています。そのため拠点となる大病院の負担が増し、医師は過重労働のために疲弊して、離職の動きも起こっています。図表2は、千葉県の二次医療圏と主な病院の場所を示した地図ですが、太平洋側のエリアに行くほど、拠点病院の数が少なくなっているのが分かります。とりわけ銚子市立総合病院が休院(2010年5月診療再開)したことで、香取海匝地域にあるほかの拠点病院の負担が大きくなっています。
さらに、千葉県では在宅医療に対するニーズも増大しています。図表3で分かるように、県内では平成27年に4人に1人が高齢者となり、その後も高齢化率が上がり続けることが予測されています。在宅医療支援のために、地域の医療機関がどのような役割を担うべきかなど、早急に具体的な対策を練っていく必要があります。