地域医療ニュース

第12回千葉県脳卒中連携の会について

文/千葉県医師会理事 大野京子

 今回、第12回千葉県脳卒中等連携の会の開催は、新型コロナウイルス感染症の感染対策の観点からオンラインで実施することになりました。2021年1月には2度目となる緊急事態宣言が発令され、千葉県もその宣言下におかれた中での会となりました。

 構成は対面時の開催と同様に、午前は専門職別分科会に分かれての研修、午後は全体会としました。

 第一部、午前の分科会はリハビリテーション職・入退院支援・薬剤師・看護職・医療ソーシャルワーカー・栄養士に分かれて行いました。

 リハ職分科会では、テーマを「急性期~生活期のコロナ対策の現状」とし、急性期、回復期、維持・生活期における新型コロナウイルス禍での現状や対応・対策等について事前にアンケート調査を行い、各病期・施設においてのコロナ対策の現状について、集計結果報告、県内施設の状況を共有されました。

 入退院支援分科会では、テーマを「わたしたちは、コロナで強制的に進むデジタル化に対応できているか?」とし、ICT活用についての調査を行い、調査結果をもとに現状や課題について検討されました。

 看護職分科会では、テーマを「コロナ対策下における家族支援・家族指導の変化」とし、患者と家族をつなぐ面会が制限されたことで、家族支援や家族指導の変化について急性期・回復期・在宅それぞれの立場での取り組みを共有されました。

 医療ソーシャルワーカー分科会では、テーマを「コロナ禍における入退院の流れ及び患者対応について調査し、共有する」とし、事前に実施した「コロナ禍における急性期・回復期の対応についてのアンケート調査」の集計結果を通して、受け入れ対応・MSWの関わり方などについて情報の共有をされました。

 薬剤師分科会では、テーマを「地域連携パス薬剤シートのさらなる利活用について」とし、千葉県脳卒中地域連連携パスや地域医療において今後の薬剤シートのさらなる利活用について検討されました。

 栄養士分科会では、テーマを「栄養シートの新たな活用について」とし、栄養情報提供の現状とその問題点や栄養シートの新しい活用について講演を行いました。

 第二部では、「特別講演」「シンポジウム~withコロナでの連携~」「分科会報告」「総括」を行いました。

 「特別講演」では公益社団法人日本脳卒中協会 専務理事 中山博文先生から「脳卒中・循環器病対策基本法の現状と動向について」のお話をいただきました。国の循環器病対策推進基本計画に基づいて、都道府県循環器病対策推進計画の準備を進めており、この基本法を活かすためには、実効性のある都道府県循環器病対策推進計画を策定し、それに基づく施策を実現させなければならないと助言いただきました。

 「シンポジウム」では元県医療調整本部・急性期・回復期・地域リハのそれぞれの立場からコロナ対応の取組み、今後の課題についてご報告いただきました。

 最後に「分科会報告」と「総括」が行われました。

 「総括」では、千葉県救急医療センターの古口先生からお話を頂きました。「脳卒中・循環器病対策基本法」は国の「循環器病対策基本計画」が出され、都道府県単位での「都道府県循環器病対策推進計画」を策定することになるので引き続き皆さまのご協力お願いしたいと述べられました。また、Withコロナの状況で限られた医療・介護の資源を培ってきた地域連携によって有効活用し乗り切っていくことは、収束した時、われわれ医療・介護従事者はプロフェッショナルとしてさらに力を付けたと実感できることでしょうとお言葉があり閉会となりました。

 コロナ禍での開催となりましたが、330アカウント以上の参加登録をいただき、多数の方々にご参加いただきました。ありがとうございました。

 この会は有志として多職種が集う千葉県脳卒中等連携意見交換会が中心となって、開催されています。末筆になりましたが、コロナ禍で日常業務も多忙を極める中、開催に御尽力くださいました関係者の方々、ご講演、シンポジウムをお受けくださいました方々には、この場をお借りしまして厚く御礼を申し上げます。

千葉県医師会理事 大野京子

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 第12回千葉県脳卒中等連携の会 冊子(1.76MB)
 講演「千葉県脳卒中等連携の会~総括~」(5.10MB)