地域医療ニュース

多職種協働による在宅チーム医療を担う
人材育成事業・地域リーダー研修会を開催

2013. 05.24   文/梅方久仁子

運営面の課題は4つ

いらはら診療所 苛原 実 氏

 次に「在宅医療の現状と問題点 強化型在宅療養支援診療所の立場から」と題して、松戸市にあるいらはら診療所の苛原実医師の講演が行われた。

 苛原氏によれば、「在宅医療は病院の医療とは考え方が違う。在宅には、患者さんの人生に触れられる魅力がある」という。

 課題の1つは24時間体制の確保だ。日中にしっかり対応しておけば夜間対応は、かなり減らせる。また、大半は当直看護師で対応できる。2つめの課題は多職種連携だ。忙しくても、できるだけカンファレンスには参加するべきだ。自分の診療所や在宅診療時の患者宅で開いてもらうと出席しやすい。また、医学用語はできるだけ使わない配慮が必要だ。患者さんや家族を含めて、地域への啓蒙活動を行う必要もある。3つめの課題は認知症だ。認知症の人はどんどん増えているので、医師や看護師は対応力をつける必要がある。4つめは看取りの問題だ。施設での看取りがどんどん増えていて、看取りへの対応は欠かせない。

 地域を支えるためには、医療は動かなくてはならない。かかりつけ医が出て行くことで、不要な救急搬送を減らすなど、地域を支えることもできるとのことだった。

苛原氏は、ほとんどの夜間対応は看護師さんで可能という。(クリックすると拡大します)