地域医療ニュース
いすみ市で「糖尿病」や「塩分・お酒と食生活」について考える健康公開講演会が開催
2013. 02.27 文/梅方久仁子
お酒を毎日飲む人は、飲まない人に比べて血圧が高い。しかし、ときどき飲む人と飲まない人の差は、わずかだ。お酒を飲むなら毎日ではなく、ときどきにすればよい。
お酒の種類は関係なく、含まれているアルコールの量が問題になる。飲んでいいのは、1日あたり日本酒1合くらいまで。ビールなら中びん1本(500ミリリットル)、焼酎なら110ミリリットルくらいになる。毎晩1合飲むのと週に2回だけ3合半飲むのは同じことなので、好きな飲み方を選べばよい。健康のために食べ物を制限するのではなく、おいしく食べて健康にもよい方法を探して実践しよう。
知識と知恵で減塩しよう
減塩による血圧管理は重要だ。血圧が高いほど、循環器疾患による死亡率が高くなる。ただし、減塩だけでは血圧を下げる効果はわずかだ。薬を飲む、運動する、お酒を控えるなど、他の方法と合わせてやる必要がある。
血圧の上昇は、実は加齢ではなくそれまでどれだけ食塩を食べたかによる。ほとんど塩を食べないブラジルのヤノマモインディアンは、年を取っても血圧が上がらない。35歳のときから塩を1日14グラム食べた人は、65歳になったときに1日7グラムの人より血管年齢が13歳高くなる。ぜひ、今日からでも減塩を始めてほしい。また、自分の子どもや孫が塩分を控えるように勧めよう。
日本高血圧学会は高血圧にならないための食塩摂取量として1日6グラム未満を勧めている。ただ、これを達成するのは非常に難しく、厚生労働省は、成人男性9グラム、女性7.5グラムという、より緩やかな摂取目標を掲げている。自分の食塩摂取量を知り、少しでもそこから減らすことが大切だ。
加工食品には栄養成分表示がついているので、賢い減塩のために利用したい。「ナトリウム」という表示は、2.54倍すると食塩(塩化ナトリウム)相当量になる。ラーメンの麺とスープのように細かく分けて書いてあるものもある。1食あたり食塩相当量が5.8gのラーメンでも、塩分の多くがスープに含まれるのなら、スープを残せば食べられる。知識と知恵で減塩しよう。