地域医療ニュース
地域の医療者が集まって
「香取地域医療連携協議会」が発足。
顔の見える交流でネットワーク化・連携をさらに推進
2012. 07. 26 文/寺西 芝
2012年2月24日、香取市のパレス大藤・大ホールで「香取地域医療連携協議会」の発足を記念するシンポジウムが開催された。テーマは、脳卒中連携パスを中心とした地域医療連携について、連携パスを利用する医療機関同士のネットワーク化を進め、地域医療連携を促すのが目的だ。参加したのは、地元の医師や病院関係者ら60人ほど。第一部では講演者が登壇して発表し、第二部では全員が参加して意見交換を行い交流を深めた。この様子をリポートする。
まず、千葉県医師会理事(現副会長)の原 徹氏、香取郡市医師会会長の布施修一氏、県立佐原病院・病院長の小林 進氏がそれぞれ挨拶を行ったあと、第一部の「脳卒中を中心とした連携報告会」が始まった。
千葉県医師会 原 徹理事 |
香取郡市医師会 布施修一会長 |
県立佐原病院 小林 進病院長 |
県立佐原病院
峯 清一郎 診療部長
峯 清一郎 診療部長
最初は千葉県立佐原病院・脳神経外科の峯 清一郎 診療部長が登壇し、「脳梗塞の診断から社会復帰までのプロセスに関するアンケート調査」について発表した。峯部長は佐原病院で診察した脳梗塞の患者110人にアンケート調査を行い、患者が現状の医療連携システムのプロセスをどのように評価しているのかを明らかにした。
佐原病院など急性期病院の次に患者さんが行く先は「回復期リハビリテーション」だが、その用語を「知っている/理解している」と答えたのは約半数にとどまった。医療関係者が専門用語で話すとなかなか理解が進まない現状が伝わってくる。
「退院後、希望した施設に移れたか」の質問に、「移れた」と答えた人は約3割で、回答しなかった人も含めると7割が「希望した施設に移れていない」と感じているのではないかと語った。こういった結果も連携の悪さが原因との認識だ。