地域医療ニュース
災害時の被害を最小限にするにはどうする?
災害をテーマに地域医療フォーラムを開催
2012. 04. 24 文/梅方久仁子
東日本大震災から約1年となる2月16日、いすみ市大原文化センターにて、災害への対応をテーマに夷隅郡市地域医療フォーラムが開催された。災害が発生したときに特に被害を受けやすいのは、高齢者や障害のある人、それに乳幼児や妊産婦といった人たちだ。被害を最小限に食い止めるためには、いざというときの避難をどうするか。被災後の生活はどうなのか。災害に備えて普段から何をしておくべきか。現場をよく知る講師の言葉に、参加者は真剣なまなざしで聴き入った。
多くの犠牲から得た貴重な教訓を生かそう
冷たい雨が雪に変わり、列車が大幅に遅延するという悪条件にも関わらず、開演時間が近づくと会場のいすみ市大原文化センターには、保健師、医療関係者、一般市民らが続々と集まってきた。
今回の地域医療フォーラムは、「忘れない! 3.11 ?東日本大震災の教訓?地域の力で被害を減らそう」のタイトルが示すとおり災害への対応がテーマだ。
東日本大震災から1年。被災地にはまだがれきの山が残り、あの日の記憶は、多くの人の脳裏に刻みつけられたままだ。誰にとっても大きな関心事だろう。
13時半のほぼ定刻通りにフォーラムが開始。手話通訳について紹介後、主催者を代表して、夷隅健康福祉センターの大野由記子センター長(当時)から挨拶があった。
「昨年3月の震災から、ほぼ1年。私たち行政機関は、多くの犠牲から得られた貴重な教訓をもとに、対応をしていかなくてはなりません。しかし災害というのは、ときには想定を超える事態になると感じています」と大野センター長。2人の講師と講演内容について説明し、「本日のテーマである『地域の力で被害を減らす』ということをみんなで勉強したいと思っております」と締めくくる。