地域医療ニュース
「千葉県在宅ネットワーク」が発足
多職種が結集し、在宅医療・介護を推進
2012. 01. 13 文/寺西 芝
最後は「柏在宅医療研修プログラム」について、柏市医師会の副会長で市議会議員でもある長瀬慈村氏が演壇に立った。
柏市では、東京大学、UR都市機構、柏市(行政)の三者が、超高齢社会に対応した街づくりを進めている。その拠点は、高齢化率が極端に高くなっている豊四季台地域。高度成長期に建てられ、建物の老朽化が進んでいる豊四季台団地のある地域だ。
ここで、在宅医療を推進するための拠点整備を行い、さらに在宅医療を安定的に提供するための研修などのモデルプロジェクトが行われている。
この在宅医療研修には、地元の柏市医師会から6名の開業医が参加。在宅医療をともに学び・経験すると同時に、職種を超えたつながりを強化することで、最終的には在宅医療に携わる医師を増やし、その質を高めることが目的だ。
多職種連携の研修には、医師以外にも看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、ケアマネジャーなど文字通り多くの職種の方々が参加し、認知症、栄養・嚥下(えんげ)、褥瘡(じょくそう)、緩和ケアの4つをテーマに講義と演習を行った。また、一般の開業医である受講者が在宅専門医や訪問看護師と一緒になって、訪問診療や訪問看護などを体験する在宅実地研修も実施された。2011年10月には、総括シンポジウムを開催し研修は終了したが、現在も受講者らが参加するワーキンググループが作られ、多職種が連携しやすいシステムの構築を目指して検討が続けられているという。
千葉県在宅ネットワークでは、今後、随時、加盟施設の公表やマップ化を行い、施設間の連携促進や患者・介護サービスの利用者への情報提供を図っていくという。
また、多職種協働のためのグループワークなども企画していきたいとしている。