地域医療ニュース
自分の住む地域の医療について考えてみよう!
がんと地域医療をテーマにした医療フォーラムが
長生郡市で開催
2011.12. 27
一方で、乳がん患者の年齢構成の変化を指摘。そもそも、乳がん患者の数は40代から上昇するが、近年45?55歳の層が増加する傾向にあるという。なりやすいタイプは以下の通り。
早い初経、遅い閉経、未出産、高齢出産、授乳経験ナシ。そのほかに、夜間勤務が多いと発病の可能性も増えるほか、タバコ、アルコールも病気の発生に影響を与える可能性があるという。逆に長期の授乳や定期的な運動、あるいは大豆製品の摂取などが発病率の減少に関連しているとされるが、いずれもあくまで確率論にすぎないとのこと。
ただし、家族に既往歴がある人、あるいは乳がん遺伝子を持っている人の発症率は確実に増加するという。乳がん遺伝子とは名前の通り乳がんを引き起こす遺伝子のことで、近年その存在が明らかになりつつある。血液検査でその有無がわかり、遺伝子を持っている人10人のうちに実に7人が発病するという。
乳がんの場合、ひとつのがん細胞が1センチになるまでには10?15年かかる。ところが、1センチ大となったがん細胞は、わずか1、2年で2センチほどの大きさとなる。そこで、必要とされるのが早めの検査だ。
近年、ピンクリボン運動などで知られるようになった、マンモグラフィと超音波による乳がんの画像検診。40歳以下は超音波のみ、40歳以上はマンモグラフィと超音波双方を受けたほうが効果的だという。ただし、マンモグラフィで見つかるタイプもあれば、超音波で見つかるタイプもあり、一概にどちらが優れているとは言えないという。
いずれにせよ継続した検診が大切であり、また、自分の乳房のことは自分が一番よく知っているのだから、自己検診もおすすめだという。やり方としては、月1回生理が終わって1週間ほどたった後、状態としては張りや痛みがないころに乳房を触ってみること。そこでしこりを見つけたり、あるいは分泌液が出てきたりしたら、迷わず病院で診断を受けたい。
大関医師いわく、たとえ、乳がんを発症したとしても、早期に発見できれば生き残る確率は高く、また、早期発見で乳房温存手術を受けた場合、ほとんど傷はわからないとのこと。また、乳がんはほかのがんより抗がん剤やホルモン療法が効くので、とにかく、年1回の検診と月1回の自己検診を欠かさず行うことが重要だと語った。