健康トピックス

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2020.11.24

血管の老化現象「動脈硬化」

動脈硬化とは

動脈は心臓から全身に血液を送る役割を担っている血管で、外膜、中膜、内膜の3層で出来ています。しなやかで弾力性に富んでいるという特性がありますが、年齢を重ねるごとに、この弾力性が失われるほか、血管の壁にさまざまな物質が沈着することで、血液の流れが滞ります。このような血管の老化を「動脈硬化」といいます。
動脈硬化は、どの動脈に発症したか、またその発症の仕方によって3つに分類することができます。1つ目はアテローム硬化と呼ばれ、動脈の内膜にコレステロールなどの物質が沈着し、堆積することによって動脈が狭くなった状態です。大動脈や脳動脈、冠動脈などの比較的太い動脈でみられます。2つ目は中膜硬化と呼ばれ、動脈の中膜に石灰質が溜まることで、血管壁の破れにつながります。大動脈や下肢の動脈などで起こりやすい動脈硬化です。3つ目は細動脈硬化です。名前の通り、脳や腎臓の中の細い血管に起こる硬化で、長期にわたる高血圧症によって引き起こされます。

動脈硬化によって引き起こされる症状

動脈硬化は全身の動脈で起こります。動脈硬化が起こった部位によって、発症する病気や症状が異なります。

脳動脈、頚動脈
脳動脈、頚動脈で動脈硬化が起こると、体の一部が麻痺したり、言葉がしゃべりにくくなったりする脳梗塞を発症します。また、血管が破裂することによって脳出血を起こすこともあります。
冠動脈
冠動脈は心臓に酸素や栄養を運んでいる動脈です。動脈硬化によって心臓への血流量が減少すると、狭心症と呼ばれる胸の痛みや息苦しさを伴う発作を起こします。血流不足がさらに進行すると、心筋梗塞を発症します。狭心症よりも激しい胸痛や呼吸困難などの症状がみられます。
下肢動脈
下肢が血流不足に陥ると、間欠性跛行を発症します。歩行時、主にふくらはぎに痛みが生じますが、しばらく休むと血流が戻り、痛みが治まるのが特徴です。症状が進行すると、細胞が壊死し、場合によっては足の切断につながる恐れがあります。

そのほか、腎動脈や胸部大動脈、腹部大動脈などでも動脈硬化は起こります。いずれも重大な病気を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

動脈硬化の危険因子

動脈硬化は老化現象の一種でもあるため、年齢を重ねることで進行していきますが、それ以外にもさまざまな危険因子があります。

性別
男性は女性より動脈硬化の危険が高いです。これは女性ホルモンに動脈硬化の進行を抑えるはたらきがあるからです。このため、閉経後の女性も注意が必要です。
体質の遺伝
動脈硬化が進行しやすい体質は遺伝します。家族や親戚など、血縁者に狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの病気の方がいる場合は特に気を付けましょう。
病気
メタボリックシンドローム、脂質異常症、高血圧、糖尿病などにかかっている方も動脈硬化が進行しやすいです。これらの病気にかかっている方は、まずはその治療に専念しましょう。

このほか、生活習慣も動脈硬化の進行に関わってきます。肥満の解消、適度な運動、ストレスをためない、規則正しい食生活、バランスの整った食事を摂る、禁煙などを行うことで、動脈硬化の軽減・予防につながります。
動脈硬化は進行していても自覚症状がありません。日頃から生活習慣を見直して、規則的な生活を心がけることが大切です。

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