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2020.08.24

増加する性感染症「梅毒」

梅毒とは

梅毒は、梅毒トレポネーマという病原体が、体内に入り込むことで発症する感染症です。症状として表れる赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることから、その名前が付けられたと言われています。

梅毒の感染は世界中でみられています。日本では過去何度かの流行があり、最近では1987年に2928件のピークを迎え、その後2010年には621件にまで減少しました。しかし、近年は増加の傾向にあり、2018年には、48年ぶりに6000件を超えました。特に20代女性の発症数は、著しく増加しています。

一般に感染の原因は、性交の際の皮膚や粘膜の直接接触です。膣性交だけでなく口腔性交でも感染する可能性があります。感染後、時間の経過とともに、しこりや発疹などの症状がみられますが、痛みやかゆみを伴うことはありません。

梅毒の種類と症状

梅毒は、感染経路と症状の有無によって、いくつかに分類されます。感染経路では、「先天梅毒」と「後天梅毒」の2種類に分かれます。

梅毒に罹患している母体から胎盤を通じて胎児に伝播した梅毒を「先天梅毒」と呼び、それ以外の性交などの行為によって感染した梅毒を「後天梅毒」と呼びます。

症状の有無により「無症候梅毒」と「顕症梅毒」に分けられます。「無症候梅毒」は、発疹やしこりなどの症状はみられないものの、梅毒の血清反応が陽性である場合を言い、経過に伴って症状が消失している期間も当てはまります。「顕症梅毒」は、病期によって、さらに第1期から第4期に分けられます。第1期には、感染してから約3週間後にしこりが表れ、鼠径部のリンパ節が腫れることもあります。痛みやかゆみはどちらにも表れず2~3週間で消滅しますが、症状が消えてもウイルスは体内に存在しています。第2期には、感染してから約3カ月後に全身の皮膚や粘膜に発疹がみられます。発疹にもいくつかの種類がありますが、多くみられるのは、「丘疹性梅毒」と呼ばれる、大豆から爪ほどの大きさのかたい発疹や、赤銅色で湿り気のある乾燥するとフケのようになる発疹「梅毒性乾癬」が表れます。そのほか、喉の腫れや脱毛症状などが生じます。こちらも第1期と同様に、症状は自然に消えていきますが、梅毒トレポネーマは体内に潜伏しています。

感染後、治療をせずに数年経過すると、第3期・第4期梅毒(晩期顕性梅毒)へと進行し、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍が発生するほか、心臓や血管、神経などにも病変が生じます。

梅毒の治療と予防法

梅毒に感染しているかどうかは、血液検査で判断します。病院ではもちろんのこと、保健所では無料で検査を行うことができます。※1

ただ、第1期の最初の数週間は、検査を行っても陽性反応が出ないことがあります。そのため、症状が疑われた場合には、感染したと思われる時から3~4週間の期間をあけて、検査をする必要があります。

治療は、一般的にはペニシリン系抗菌薬の内服療法を行います。投与期間は、第1期には2~4週間、第2期には4~8週間ほどで、病期によって異なります。医師が治療の終了を判断するまでは、処方された薬をきちんと飲み続けることが重要です。

梅毒の確実な予防法はありませんが、コンドームの使用は感染部分の直接の接触を減らすため有効です。ただしコンドームで覆われていない部分で感染する可能性があり完全な予防とはいえません。感染が疑われる場合には早めに医療機関を受診しましょう。

※1 新型コロナウイルス感染症の影響で休止中の場合があります

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