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2018.11.21

上まぶたが落ちてくる病気「眼瞼下垂」(がんけんかすい)

眼瞼下垂とは

眼瞼下垂は、顔を正面に向けた時にまぶたが瞳孔まで十分に開けられない状態をいいます。主に「先天性眼瞼下垂」、「後天性眼瞼下垂」、一見眼瞼下垂のように見えるけれど眼瞼下垂ではない「偽眼瞼下垂」の3つに分類されます。最も患者が多いのは後天性眼瞼下垂です。

先天性眼瞼下垂は、生まれつきまぶたが下がっている状態で、まぶたを上げ下げする筋肉「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」の発達や上眼瞼挙筋を動かす神経の発達異常によるものと考えられています。8割の方は片目だけの発症で、ほとんどの場合は視覚機能に問題はなく、手術をする必要はありませんが、まれに弱視や斜視の原因となり、合併している恐れもあるため、眼科での診察と経過観察をすることが大切です。

後天性眼瞼下垂は、もともとはまぶたが開いていた人が少しずつ、または突然まぶたが下がってくる状態です。ほとんどの場合は、まぶたを上げ下げする筋肉(上眼瞼挙筋)の末端部の腱が伸びたりゆるんだりすることで、少しずつ眼瞼下垂を引き起こす「腱膜性眼瞼下垂」です。加齢性の眼瞼下垂がもっとも多く、ハードコンタクトレンズの長期装用者や内眼手術をしたことのある人もかかる場合があります。まれに神経や筋肉が原因の場合があるため、注意が必要です。

偽眼瞼下垂は眼瞼下垂ではありません。眉毛が垂れてくる眉毛下垂や眼瞼痙攣、眼球陥凹などによって一見眼瞼下垂のようにみえることをいいます。

眼瞼下垂の症状

眼瞼下垂になると、まぶたをきちんと上げることが困難になります。このため、無意識におでこの筋肉である前頭筋を使ってまぶたをあげようとしてしまい、眉毛の位置が上がりおでこにしわが寄ります。それでも視野が狭いと正面を見る際にあごを上げるようになり、眼精疲労や頭痛、肩こりの原因となります。まぶたを上げ下げする筋肉の末端は二重まぶたを作る膜でもあるため、二重幅が広くなったり、三重まぶたになることがあります。このほか、目の奥が痛い、歯を食いしばってまぶたを開けるため咀嚼筋の疲労や痛み、歯が浮く、顎関節症などの症状が起こることもあります。

後天性眼瞼下垂の一部には、ものが二重に見える症状を伴うことがあり、このような症状が出た場合は医療機関の診断を受ける必要があります。

眼瞼下垂の主な徴候
・ 二重の幅の変化(一重が二重になる、二重の幅が広くなる)
・ 目の上が陥凹する
・ 三白眼(眼球が上方にあり下の白目が見える)
・ いつも眉毛を挙げている
・ いつも顎を上げている       など

眼瞼下垂の診断と治療法

片側だけの場合は、非対称のため気づきやすいですが、両側の場合は対称性の変化なので気づかないことがあります。正面を見た状態で上眼瞼が瞳孔にかかっていた場合は、眼瞼下垂が疑われます。鏡を見ても分からない場合は、フラッシュつきのデジタルカメラなどで撮影してみましょう。腱膜性眼瞼下垂の場合は、腱膜の付着部が少しずれただけのため、挙筋そのものの運動に問題はなく、上眼瞼挙筋は正常に保たれています。ある日突然まぶたが下がった場合には、脳梗塞や脳動脈瘤、糖尿病などによる動眼神経麻痺などが疑われます。また、朝は普通にまぶたが上がっていたのに、夕方になって開かなくなるというような、1日の変動が大きい場合は、神経疾患である重症筋無力症の可能性があります。

先天性眼瞼下垂や腱膜性眼瞼下垂の主な治療は、まぶたを上げる手術です。脳梗塞や重症筋無力症など他の病気が原因の場合は、自然に回復してくることが多いため、病気の治療を行った上で様子をみます。6~12ヶ月経過しても改善しない場合はまぶたを上げる手術を行います。

日常生活に支障がない場合は、治療をしなくても問題ありませんが、重大な病気が隠れている可能性があるため、眼瞼下垂が疑われる場合は、医療機関を受診しましょう。

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