医療現場からの提言

2017年

vol.08 性感染症、県西部で増加

性感染症患者が増えていると聞きました。県内の実情について教えてください。

五十嵐:

千葉県産婦人科医会と泌尿器科医会、皮膚科医会は2006年から、性感染症患者全数調査を行っています。方法は各年度中の1カ月間に新たに医療機関を訪れ、性感染症と診断された患者数、疾患名などを各医療機関へアンケートして調べました。

16年までの11年間の動向を見ますと、06年から漸減傾向が見られましたが、10年に増加傾向に転じています。千葉県全体では、人口の多い地域で発生数が多いのは当然ですが、2次保健医療圏の東葛南部、印旛、千葉、東葛北部で漸増傾向が、未成年者では東葛北部、東葛南部で増加傾向があるように見受けます。

感染にはどのような種類があるのですか。10代の感染も多いと聞きます。

五十嵐:

10年以降増加傾向が著しい性器感染症は、性器クラミジア感染症と、非クラミジア性非淋菌性尿道炎および性器ヘルペス感染症です。このうち性器クラミジア感染症はもっとも発生数が多く、全体の40%以上を占め、特に女性に多いです。

未成年者の性感染症は全体の5%ですが、3分の2は性器クラミジア感染症です。未成年者の性感染症患者数では女子が男子の4倍であり15歳以降の増加が著しい特徴があります。

対策はあるのでしょうか。

五十嵐:

年度別にみると、未成年者の性感染症例数に増減傾向は見られず、概ね一定数で推移している点が特徴的と思われます。女性の性器クラミジア感染症は20歳代前半にピークがあるので、中学生位からの啓発が性器クラミジアの発生数、および全体の性感染症発生数を抑制することに有効と思われます。

BACK INDEX NEXT
公益社団法人 千葉県医師会 CHIBA MEDICAL ASSOCIATION みんなで高めるいのちの価値 ~健康と福祉のかなめ~
〒260-0026千葉県千葉市中央区千葉港4-1
TEL 043-242-4271
FAX 043-246-3142