2021.08.20
紫外線とは
太陽光は目に見える光のほかに、赤外線や紫外線と呼ばれる目に見えない光を含んでいます。なかでも紫外線は性質などによって、それぞれUV-A、UV-B、UV-Cの3つに分けられます。このうち日焼けの原因となるのは、UV-AとUV-Bです。
■UV-A |
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オゾン層を通過し、その多くが地表に届きます。UV-Bほど有害ではありませんが、長時間浴びると健康に影響が出るとされています。 |
■UV-B |
オゾン層で遮られるため、地表に届く量が減ります。しかし、皮膚や目に有害で、日焼けや皮膚がんの原因になります。 |
紫外線の強さは、時刻や季節、天候などによって異なります。同じ気象条件の場合、太陽が頭上にくるほど強い紫外線が地上に届きます。そのため、時間でいうと正午ごろ、日本の季節では6~8月に最も紫外線が強くなります。
日焼けとは
紫外線によって引き起こされる皮膚の障害は、すぐに肌に影響がみられる急性障害と、長年にわたって紫外線を浴び続けることによって起こる慢性障害の2つに分けられます。このうち、日焼けは急性障害に当てはまります。
さらに日焼けは症状やその表れ方から、サンバーンとサンタンの2種類に分類されます。サンバーンは、日光に当たって数時間後から起こる赤くヒリヒリとした炎症です。8~24時間でピークを迎えます。数日から一週間ほどで症状は治まりますが、日光にあたりすぎた場合には、水ぶくれができることもあります。
サンタンは、サンバーンが消失してから数カ月にわたって皮膚が黒っぽくなる症状のことで、皮膚に色素沈着が起きたものです。
そのほか、紫外線には皮膚における免疫を抑制してしまうという作用もあります。これは、紫外線が皮膚に存在する各種の免疫関連細胞の機能を抑制するためで、そのため強い紫外線を浴びた後にヘルペスが発症したり、また、長期に浴び続ければ、皮膚がんの細胞が発生した際、その増殖を止められなくなってしまうという事態も生じます。
日焼け対策について
日焼け、すなわち紫外線に暴露されることを繰り返すことは、後々シミやしわ、老人性のイボの発生といった皮膚の老化(光老化)や、紫外線による細胞のDNA損傷によって引き起こされる皮膚がんの発生(光発がん)を招くことになります。長期的な健康への悪影響を防ぐためにも、日頃から紫外線対策をすることが大切です。
衣類などで覆うことのできない部分には、日焼け止めが効果的です。日焼け止めのタイプによって、効果や使用部位は異なります。自分の用途にあった日焼け止めを使用するようにしましょう。
そのほか、紫外線の強い正午ごろの外出を避けたり、日傘や帽子をかぶるのも紫外線防止に役立ちます。
なお、紫外線にはビタミンDの合成に必要不可欠であるとか、一部の皮膚疾患の治療に利用できる等の人体への良い点もあります。過剰に遮光することで、くる病などの健康被害を生じた例もありますので、適切な紫外線対策を心がけましょう。