2020.05.27
感染症とその対策
感染症は、体内に侵入したウイルスなどの病原体が増殖し、発熱や下痢などの症状を起こします。人から人へ伝染する感染症のほかに、動物や昆虫、傷口から感染するものもあります。
感染症にかからないためには、感染源、感染経路、宿主(感染を受けやすい人)という3つの感染要因を排除していくことが重要です。感染源とは、感染症の原因となる細菌やウイルスを含んでいるもののことで、嘔吐物や排泄物、粘膜、血液などがあります。感染を予防するためには、感染源になりうるものを取り扱う際に、感染する危険性があるという意識を持つことが大切です。感染経路にはさまざまなものがありますが、日常生活で気を付けたいのは接触感染、飛沫感染、空気感染の3つです。接触感染は、直接的な接触だけでなく、ドアノブやエレベーターなどのボタンの間接的な接触を介しても感染します。病原体に触れた手で食べ物に触ることで、主に口から体内へと病原体が侵入します。飛沫感染は、くしゃみや咳をした時に出るつばなどの飛沫による感染のことです。空気感染は、飛沫核と呼ばれる、飛沫に含まれる水分が蒸発した直径0.005mm以下の粒子を吸引することによる感染をいいます。また、病原体は宿主を介して感染します。宿主にならないために、日ごろから健康状態を保ち、病原体への抵抗力を高めましょう。
また、この3つの感染要因のほかに、病原体を「持ち込まない」「持ち出さない」「拡げない」という意識も重要です。
感染症の具体的な予防法は、病気によってそれぞれ異なりますが、手洗い・うがい、咳エチケットは、いずれの感染症に対しても基本的な対策として大切です。
手洗いのポイント
私たちは日ごろ思った以上にエスカレーターの手すりや電車のつり革など、いろいろなものに触れています。感染する病原体の多くは、まず手に付着します。ウイルスが付着している手で不用意に顔などに触れて感染しないよう、外出先から帰ってきたときや調理の前後、食事の前など、こまめに手を洗うようにしましょう。手洗いができない場合は、アルコール消毒液が有効です。
■正しい手の洗い方
手洗いの前に、爪は短く切っておきましょう
時計や指輪は外しておきましょう
- ①流水でよく手をぬらした後、石けんをつけ、手のひらをよくこすります。
- ②手の甲をのばすようにこすります。
- ③指先・爪の間を念入りにこすります。
- ④指の間を洗います。
- ⑤親指と手のひらをねじり洗いします。
- ⑥手首も忘れずに洗います。
石けんで洗い終わったら、十分に水で流し、清潔なタオルやペーパータオルでよく拭き取って乾かします。
咳エチケットのポイント
マスクの着用で重要なのは、鼻から顎までを確実に覆い、隙間が無いようにつけることです。マスクが無い場合には、ティッシュやハンカチで口と鼻を覆います。マスク、ティッシュ、ハンカチのいずれもない時や、あってもとっさに用意できない時には、袖や上着の内側で口や鼻を覆いましょう。ほかの人に飛沫がかからないように顔を背け、周囲にも気を配りましょう。咳、くしゃみをした後のティッシュはすぐに捨て、こまめに手を洗いましょう。