2017.03.03
マイコプラズマ肺炎とは
マイコプラズマ肺炎は、細菌「肺炎マイコプラズマ」に感染することによって引きおこされる呼吸器感染症です。多くの人はマイコプラズマに感染しても、気管支炎などの軽症がほとんどですが、一部の人は肺炎となり、重症化することもあります。
以前は4年周期で流行していたため、「オリンピック熱」とも呼ばれていました。現在では1年を通じて流行がみられ、冬にやや増加する傾向があります。一般的な風邪やインフルエンザと同じように、飛沫感染や接触感染によりうつり、感染から発症するまでの潜伏期間は2~3週間ほどです。主な症状としては、発熱や全身の倦怠感、頭痛、痰の絡まない乾いた咳が見られます。咳は熱が下がった後も2~3週間ほど続くのが特徴です。初期症状が風邪と似ているため見分けがつきにくいですが、乾いた咳が続くようだとマイコプラズマ肺炎の可能性があります。
大人のマイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎にかかるのは14歳以下の子どもが8割とされていますが、大人でも発症します。症状は子どもとほとんど同じですが、大人のマイコプラズマ肺炎には、子どもにはない特徴もあります。
【1】弛張熱
症状が長引くことがあります。しかし、一日中熱が出ているわけではなく、ある決まった時間になると熱が上がり、しばらくするとまた下がるという弛張熱の現象が見られます。
【2】湿った咳
マイコプラズマ肺炎の特徴的な症状として、痰のからまない乾いた咳が長く続きますが、大人の場合は、気道の炎症により分泌物が増し、乾いた咳から湿った咳になることがあります。
【3】症状の悪化
大人は子どもに比べて症状が重くなりやすく、特に高齢者は胸に水が溜まる「胸水貯留」や呼吸不全を引き起こし、入院が必要になることもあります。
治療・予防
普段から手洗いうがいをすることが大切です。また咳からも感染するので、人込みや閉め切った部屋ではマスクを着用し、しっかり予防しましょう。
感染した場合は、水分や栄養補給に気を付けて、安静にすることが大事です。軽症ですむ人が多い病気ですが、重症化した場合は、入院が必要になることもあります。咳が長引くなどの症状がある場合は、必ず医療機関に相談しましょう。