健康トピックス

2025.04.07

片目をふさいでチェック!「加齢黄斑変性」

加齢黄斑変性は加齢に伴って網膜の中心部(黄斑部)に異常が起こることで、物が歪んで見えたり、視力が低下したりする病気です。紫外線や喫煙、食生活の乱れが、発症につながることがあります。日頃から規則正しい生活を意識し、定期的に眼科を受診することが大切です。

加齢黄斑変性とは

目の奥にある薄い膜を網膜といいます。網膜はカメラのフイルムに相当し、網膜が光を感知して脳に伝えることで、人は物を認識しています。なかでも網膜の中央にある黄斑は、物の大きさや形、色などを見分ける重要な役割を担っています。
加齢黄斑変性は、加齢に伴って黄斑に異常が起こり、視力の低下を引き起こす病気です。これまでは主に欧米でよくみられる病気とされてきましたが、近年はライフスタイルなどの変化により、日本でも発症する人が増えています。50歳以降であれば80人に1人が発症しているともいわれ、男性の発症率は女性の3倍に上ります。場合によっては失明につながることもあるため、注意が必要です。

加齢黄斑変性には大きく分けると萎縮型と滲出型の2つがあります。

■滲出型

黄斑の直下に、異常な血管が生じます。本来の血管とは異なり簡単に破れるため、漏れ出た血液や水分が網膜に支障をきたします。下記の「萎縮型」に比べ、症状が急激に進行することもあります。

■萎縮型

黄斑直下の細胞が変性をきたし、縮んだり、減少したりします。ただし発症時には萎縮型であっても、症状が進行する過程で「滲出型」に移行することもあります。

加齢黄斑変性の症状

発症初期には物が歪んで見えたり、視界の真ん中がかすんだりといった症状がみられます。進行していくと、中心が真っ黒になって見えなくなります(中心暗点)。

視界に異常が生じるため、自分で発症に気付くことが多いです。ただし健康な目が見え方を補完することで、違和感に気付くのが遅れることもあります。片目をふさいで、見え方をチェックしてみましょう。

加齢黄斑変性の治療法

滲出型の場合は、新生血管の発生や成長を抑える「抗VEGF薬」を眼球に注射して治療します。麻酔薬を点眼するため、痛みはほとんどありません。それ以外に、光線力学的療法などの治療法もあります。

萎縮型の場合は、治療法がないため、経過観察となります。進行度合いを確認するためにも、定期的な眼科の受診が必要です。

加齢黄斑変性の発症には、 紫外線や喫煙、 食生活の乱れが関係していると考えられています。予防のために、 禁煙や食生活の見直し(脂っこいものを控えるなど)、医師に相談したうえでサプリメントの服用、 また外出時にはサングラスをかけるなど余計な光を遮ることも重要です。

参考リンク
健康トピックスINDEXに戻る
BACK NEXT
医師会のしごと
広報誌ミレニアム 県民の健康増進と病気予防のためのフリーマガジンです。年間4回発行。
地区医師会
注目の健康トピックス
information
関連リンク
公益社団法人 千葉県医師会 CHIBA MEDICAL ASSOCIATION みんなで高めるいのちの価値 ~健康と福祉のかなめ~
〒260-0026千葉県千葉市中央区千葉港4-1
TEL 043-242-4271
FAX 043-246-3142