健康トピックス

2025.02.28

性行為以外の感染経路にも注意「腟トリコモナス症」

腟トリコモナス症とは

0.01~0.025mm程度の腟トリコモナスという原虫(寄生虫)が腟や尿道に感染することで発症します。感染力が高く、性行為だけでなくタオルや下着、浴槽を介しても感染するため、子どもから中高年まで、発症者の年代の幅が広いのが特徴です。男女ともに感染しますが、男性では無症状であることも多く、女性の方が強い症状が出るとされています。

腟トリコモナス症の症状

症状は人によって大きく異なり、女性でも20~50%は無症状であるといわれています。10日前後の潜伏期間を経て、悪臭の強い泡状のおりものが増加します。おりものの匂いは、魚の腐敗臭に例えられることが多いです。このほか、外陰部に強いかゆみが生じます。

男性では尿道から少量の膿が出たり、軽い排尿痛を感じたりすることがありますが、自覚症状がないことも多いです。

放置すると、女性の場合は子宮頚管や膀胱、男性の場合は精のうや前立腺などに感染して、ほかの症状を引き起こす恐れがあります。

腟トリコモナス症の治療法

尿や分泌物を顕微鏡で観察し、腟トリコモナスの有無を確認して診断します。確認できない場合は、培養検査を実施することもあります。

腟トリコモナス症は自然治癒が見込めず、放置すると不妊や流産などを引き起こすおそれがあるため、必ず治療することが大切です。薬物療法を行うのが一般的で、10日間程度薬を服用します。服薬期間は、飲酒を控える必要があります。治療を始めて自覚症状がみられなくなったとしても、腟トリコモナスが完全に排除されてない可能性があります。医師の指示に従って、処方された薬は全て飲み切ることが重要です。

性感染症は、自身だけでなくパートナーとともに治療をすることが、再発を防ぎます。予防のために、コンドームも忘れずに装着するようにしましょう。

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