2022.11.29
インフルエンザとは
インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することで発症する病気で、「かぜ症候群」のひとつです。
「かぜ症候群」は、ウイルスなどのさまざまな病原体が鼻から喉に炎症を起こす疾患の総称で、原因病原体としてライノウィルス、コロナウィルス、RSウイルスなどともにインフルエンザウイルスがあります。
インフルエンザは、かぜ症候群の中でも症状が重く、感染力が強いため短期間に流行します。高熱や頭痛、関節痛などの強い全身症状が急速にあらわれるのが特徴です。他のウイルスが原因のかぜ症候群と同様、鼻水や咳、喉の痛みなどの症状もみられます。
インフルエンザの流行中に40℃前後の熱が出た場合、インフルエンザを発症した可能性があります。発熱直後はインフルエンザの診断が困難であるため、発熱後12時間程度過ぎてから48時間以内に医師の診察を受けることをお勧めします。子どもは急性脳症を、高齢者や免疫力が低下している方は肺炎を併発するなど、重症化する場合もあります。入院が必要になったり、最悪、死に至るケースもあります。
初発症状 | 発熱、悪寒、頭痛 |
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主な症状 | 発熱、筋肉痛、関節痛 |
熱および熱型 | 38~40℃(3~4日間) |
悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感 | 高度 |
鼻水、鼻づまり、咳、喉の痛み | 後期より著しい |
咽頭 | 充血およびときに扁桃腫脹 |
異常行動※ | 突然走り出す、部屋から飛び降りようとする等 |
合併症 | 気管支炎、インフルエンザ肺炎、細菌性脳炎、脳症 |
※子どもの場合、異常行動を起こす場合があります。特に発熱から2日間は、子どもを1人にしないように注意しましょう。
インフルエンザの予防法
インフルエンザの原因であるウイルスは、くしゃみや咳などによる飛沫を吸い込んだ場合や、ウイルスが付着した手で鼻や口などに触れた場合などに感染します。外出時の手洗い・うがいを徹底すること、マスクなどを積極的に着用することで予防につながります。また、バランスの良い食事や睡眠、休養をたっぷりとって、身体を十分に休ませることも大切です。
インフルエンザの重症化予防に効果的な事は、インフルエンザワクチン接種です。ワクチンにはウイルスの感染を抑える働きはありませんが、感染後、発熱や喉の痛みなどの症状の発症を抑える効果が一定程度認められています。また、肺炎や脳症などの重い合併症の頻度を低下することができます。
通常、ワクチンを接種した後、効果が現れるまでには約2週間かかります。また、インフルエンザウイルスは毎年違う型のウイルスが流行するため、毎年接種した方がよいといわれています。
ただし、予防接種を受けるかどうかは、必ずかかりつけ医などと相談のうえ決めましょう。
インフルエンザの治療法
治療薬には抗インフルエンザウイルス薬があります。発症から48時間以内に服用を開始すると発熱期間が通常1~2日間短縮、鼻や喉からのウイルス排出量も減少します。48時間を越えると十分な効果が期待できなくなるため、インフルエンザが疑われる場合には、それまでに医療機関を受診しましょう。ただし、服用の有無は医師の慎重な診断に基づきます。
熱を下げるために乳幼児に市販の解熱剤を服用させ、脳炎などを引き起こしたケースがあります。インフルエンザかどうか判断がつかないときでも、高熱が続く場合はすぐに医療機関へ連絡し、医師の診察を受けましょう。インフルエンザは感染力が強いため、移動の際はマスクを着用しましょう。
医療機関を受診した後は、医師の指示に従い、休養と水分補給をしっかりと取りましょう。少し良くなったからといって外出したり、学校・仕事などへ行くと、前述したとおり周囲の人にウイルスをまき散らす恐れがあります。感染の危険性が無くなるまでは他人との接触を避けるようにしましょう。
インフルエンザは「学校感染症第二種」に分類されており、インフルエンザで保育園や学校等を休んだ場合、登園・登校に際しては医師による「登園(登校)許可書」が必要な場合もあります。詳しくは医師に相談してください。