地域医療再生プログラムとは?

第3回 香取海匝保健医療圏の
「地域医療再生プログラム」その1

?一極集中を解消するために自治体病院を再編ネットワーク化?

2011.10.12   文/桶谷仁志

市外の患者が70%を占める旭中央病院

 旭中央病院のカバーする医療圏は、香取海匝保健医療圏を超えて、南の山武地域、さらに北は茨城県にまで広がっています。

 これに加え、圏内の他の自治体から、旭中央病院を受診する患者も増え続けています。銚子市立総合病院の休院に代表されるように、圏内の自治体病院では、医師数の減少や診療科の休止といった診療機能の低下傾向もあって、旭中央病院を受診する患者が多くなっていると見られます。

旭市外から旭中央病院に受診する患者の増加状況(平成12→20年度の増加率)

 上図は、旭市の外から旭中央病院を受診する患者の増加状況を示したものです。入院、外来、救急ともに大きく増えていて、特に救急の受け入れは、入院・外来以上に急増しています。救急受入れ患者数は、平成10年度に4万5017人であったものが、平成20年には6万1671人と、10年間で1.37倍にも増加しているのです。ちなみに、旭中央病院を受診する市外の患者の割合は、入院・外来ともに70%にも達しています。

 このように地域の患者が一極に集中する現象が起きており、旭中央病院は全国の自治体病院の中でも患者数が飛び抜けて多い病院となっています。その結果、診療機能はいまやパンク寸前の状態にまで追い込まれています。