地域医療ニュース

第6回千葉県脳卒中連携の会について

2015.4.17   文/千葉県医師会理事 松岡かおり

 本年度も千葉県・千葉県医師会の共催により第6回千葉県脳卒中連携の会を開催することができました。昨年は大雪の中の開催で、心配されたにも関わらず、約200名の方にご参加いただけました。今年はどうなるか不安の中でのこの日を向かえました。

 例年、この会は午前中、専門職ごとに分かれての分科会、午後は全体会と分科会報告という形で開催されています。今回はメインテーマを「退院後を支えてこそ ~医療連携から地域連携へ~」として、今までの医療連携から一歩先を考えた会を目指し開催いたしました。

 第一部の分科会では看護職・薬剤師、・栄養士・リハ職・MSWに分かれてそれぞれの連携や退院に関する問題点が討議されました。栄養士部会では、会場に試食コーナーが置かれ、実際の嚥下食の提供が行われました。他、グループワーク等も行われ地域連携に向けた活発な討議がなされました。3年前から始まったコメディカル・ケアマネ等向けの研修会は医師・看護師より各職種に知っておいてもらいたい題材を中心にお話をいただきました。医師部会では初めて、「実践!模擬多職種退院カンファレンス」と題して症例検討会を実施いたしました。このグループワークでは、病院と在宅側で退院後の患者さんをイメージして話し合うことで職種の専門性や役割・立場の違いなどを認識し、入院中から患者さんの退院後の生活を考える視点を持てるようにすることを目的としました。事前登録を行い、急性期と回復期に分かれてのグループで討論を行いました。多くの参加者より「明日からの退院支援に役立つ」「自分の地域でも開催したい」との感想をいただいております。準備した部屋は最大110名の定員でしたが、見学者あわせて190名以上となり、足の踏み場もない状態となりました。また、配布資料が不足してしまい、みなさまに行き渡らなかったことも含めて反省とし、今後に生かしたいと思います。

 第二部では、主催者である千葉県健康福祉部古元重和保健医療担当部長・千葉県医師会土橋正彦副会長の挨拶の後、講演1、2、特別講演、分科会報告を行いました。講演1では、計画管理病院協議会代表/千葉県救急医療センターの古口先生より今までの脳卒中共用連携パスの経過と今後の退院支援を視野に入れた地域医療連携の推進についてお話がありました。講演2では私から、昨年末に行われた県内の医療機関・ケアマネ向けのアンケート調査の中間発表を行わせていただきました。

 特別講演は日本リハビリテーション病院・施設協会副会長としてご活躍されております、医療法人真正会霞ヶ関南病院理事長の斉藤正身先生に大変お忙しい中おいでいただき、「地域包括ケアシステムにおけるリハビリテーションの役割」についてご講演いただきました。地域包括ケアの基本概念から地域リハビリとのかかわりから、出たばかりの27年度の介護報酬改訂内容と時事に合わせたお話をいただきました。参加したみなさまの意識が高まり、また各職種が今後何を求められるのか具体的に学ぶことができたと思います。斉藤先生には衷心より感謝申し上げます。

 終りに分科会報告と全体の総括として、今までの医療連携パスから地域での多職種連携を推進しようという強いメッセージで幕となりました。

 一日という長い会でしたが、総勢650名以上となり、概算で医師80名、薬剤師40名、看護職150名、リハ職140名、福祉職・地域連携職130名をはじめ20職種の方々にご参加いただきました。本当にありがとうございました。

 最後になりますが、この会は有志として多職種が集う脳卒中意見交換会が中心となって、開催されています。関係者の方々には改めてこの場をお借りしまして御礼を申しあげます。

平成27年3月
千葉県医師会理事 松岡かおり

PDFファイルダウンロード

第6回千葉県脳卒中連携の会 冊子(2.21MB)
 講演1 医療連携から地域連携へ(スライド)(4.5MB)
 講演2 退院支援事業と脳卒中共用パスの運用の現状について(スライド)
    ~アンケート結果中間報告~
(4.08MB)
 総括 千葉共用脳卒中地域医療連携パス CSMP-SのM(スライド)(781KB)
 当日の様子(写真)(445KB)
第6回千葉県脳卒中連携の会 多職種カンファレンス冊子(4.84MB)